『むこうの世界』へ旅立つことを夢見て、さすらう人々の群れ。
いつしか、その夢は立ち消え、現実的世界に引き戻されてしまう…。
鄭義信が寺山の劇世界をベースに描く少年の希望と世界の果て。
寺山劇の単なる復元ではなく、全編に寺山作品の断片をちりばめ、寺山が愛用した「世界の果て」というモチーフを使いながら鄭自身の劇世界に寺山修司を引き寄せる形で新しい物語を作り上げた。
1997年版は作者鄭義信自らが演出を担当。
「寺山修司の追い求めた自由」をキーワードに小劇場の第2世代から第5世代までの精鋭20数名が結集し第38回岸田戯曲賞を受賞した『ザ・寺山』を改訂再演した。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
演出家・俳優の流山児祥が、小劇場の横断的活動を目的として1984年に設立。劇団でありながらプロデュース色の強い公演を行ってきた。2000年からは海外に進出し、近年は台湾の劇団と共同制作を行う等、精力的に活動を続け、国内での公演では、歌舞伎、シェイクスピア、寺山修司や唐十郎のアングラから最前線の劇作家の新作、名古屋や大阪で活躍する才能の発掘、韓国の現代演劇、ブロードウエイ・ミュージカルとジャンルを問わず、果敢に上演している。また、シニア演劇の可能性を広げる活動も続けている。
舞台は香港の九龍城砦を思わせるアジアのスラム、あるいは牢獄。ブルースに乗せた血みどろの男たちの生きざまを描くハードボイルド活劇として、不能の時代をブッとばすマシンガンのようにシェイクスピアを〈明るい虚無〉=世紀末に生き返らせる。
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インドはカルカッタのうらぶれた安宿の一室。舞台中央に、このホテルには不似合いに大きいシングルベッドが二つ。クーラーの効かないおんぼろホテルの狭い一室に、鼠のように閉じ込められてしまった2人の男の眠れぬ一夜のお話。有薗芳記と流山児祥による二人芝居。
メルヘンと詩。シュールとエロチシズムと犯罪の少女歌劇。寺山修司の〈幻想音楽劇〉が佐藤信+宇崎竜童+流山児祥の黄金トリオで甦る!小劇場演劇界の最前線を疾走するトップスタアの競演、熱狂のバトル・ロイヤル!!寺山修司七回忌追悼公演。寺山修司が魔術的幻想音楽劇と名付けた『青ひげ公の城』はペローやグリムの童話などで知られる、次々と花嫁を娶っては殺害した青ひげ伝説がモチーフ。そこは今、まさに『青ひげ公の城』と