自分の愛人を絞殺しその死体から陰茎を切り取った、それがいわゆる「阿部定事件」(昭和11年)である。当時大変なセンセーショナルを巻き起こしたこの事件の「予審調書」がなぜ警察から流出したのかは未だ謎であるが、本公演では愛人とのなれそめから次第に関係を深めていき、殺しの経緯を詳しく語った部分を取り上げている。
「不思議なことにエロチックな部分はほとんど印象が薄かった。それよりもなんともいえない懐かしさがあった」と演出の鴨下は語っている。百物語シリーズ99本の中でも、最もユニークで印象深い公演の1本である。
1990年設立。主な作品に、大竹しのぶ「奇跡の人」、古田新太・生瀬勝久「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」、西城秀樹・鳳蘭・市村正親「ラヴ」、天海祐希「ピエタ」などがあげられる。(メジャーリーグHPより)
歌って踊って、笑わせる寺山修司のミュージカル!?このミュージカルは、さよならしたことのある人のためのお芝居です。生まれてからまだ一度も「さよなら」と言ったことのない人は、このお芝居を見る前にだれかにさよならして来て下さい。
白石加代子「百物語」第二十二夜
筒井康隆「時代小説」は前からやりたかったものである。筒井さんにその旨を申し上げると、「え!ほんとうにやるの?」といった反応だった。つまり「読んでも、お客さんには何の事かさっぱりわからないからやめたほうがいい」とお考えだったのだ。そして実際稽古に入って、これは鴨下信一でないと出来ないものであったと思い知らされた。鴨下はこう語っている。「『時代小説』、これは日本語のリズムで聞くべきものだ。リズムは地口
マクベスは夢を見る。栄光と権威、王冠の夢を。しかしそれは引き返せない悪夢だった。そしてその王冠に手をかけたときから、坂道を転がるように、破滅への道を一直線に突き進む。
白石加代子「百物語」第二十四夜
一夜の公演で、一演目というのは初めての試みである。また、この作品は丁度八十話という節目でもある。胸突き八丁というけれど、まさに頂上がかすかに見え始めた八合目に、鴨下信一はこの作品を選んだ。鴨下さんから上がってきた台本を読んで、これは「百物語」の代表作の一つになるなと思った。登場人物がそれぞれいろんな思惑があり、悪党ばかりであくが強い。この人間臭い世界は白石加代子とぴったりあう。原作と細かく読み比べ