自分の愛人を絞殺しその死体から陰茎を切り取った、それがいわゆる「阿部定事件」(昭和11年)である。当時大変なセンセーショナルを巻き起こしたこの事件の「予審調書」がなぜ警察から流出したのかは未だ謎であるが、本公演では愛人とのなれそめから次第に関係を深めていき、殺しの経緯を詳しく語った部分を取り上げている。「不思議なことにエロチックな部分はほとんど印象が薄かった。それよりもなんともいえない懐かしさがあ
白石加代子「百物語」アンコール公演
明治から現代の日本の作家の小説を中心に、「怖い話」「不思議な話」を、白石加代子が立体的な語りと動きで演じる人気シリーズ白石加代子「百物語」のアンコール公演。恐怖とユーモアとが絶妙に味付けされた人情怪談、宮部みゆき作「小袖の手」と、一冊の本に挟まれた時空を超える栞をめぐる不思議な恋の怪談話、朱川湊人作「栞の恋」の2本立て上演。
“現代アイルランド演劇界のチェーホフ” ブライアン・フリールの名作。アイルランドの北西部、バリーベッグのはずれの村。ひっそりと暮らすマンディ姉妹はそれぞれの悩みや、緊張の中で助けあって生きている。この片田舎にも近代化の波が押しよせ、経済的な不如意に苦しみ、兄・ジャックの送還の余波でマンディ一家はだんだん崩壊していく・・・・・・。オリジナル曲にアイリッシュダンス、姉妹を取り巻く人物達との激しい言葉
どこにいるのか、袴垂れ。どこへいくのか、袴垂れ。 理想を掲げた共同体がどこから生まれ、どこへ行きつくのか…現代日本の抱える問題に鋭く切り込む!軽快で絶妙なセリフの応酬、変幻自在のムーブメントに乞うご期待!
ミュージカル
「家なき子」は、エクトール・マロの代表作。日本でも小説のみならず、アニメや漫画、絵本など多くの人々に浸透してきた。捨て子だったレミが親を探して旅をする貴種流離譚。栗田芳宏の力強い演出と宮川彬良の親しみやすい魅力的な曲、ただ単に子どもが大勢出ている「子どもミュージカル」ではなく、大人も楽しめる完成度の高いミュージカル、出演者60人余、セットも大変大掛かりでスペクタクルな作品として、りゅーとぴあ開館5
あるとき鶏がささやいた。そのままでいいのか。お前はコントロールする側じゃないか。支配する喜びを知れ。だがなにも実現できなかった。またあるとき牛がいなないた。そのままでいいじゃないか。大きいからこそできることがある。実現できる喜びを知れ。だがコントロール不能だった。中国は言う。鶏口なるも牛後となるなかれ。日本はどうだ?“起業”をテーマにパラレルワールドに描く2つの物語。はたらくすべてのひとたちへ。
【あらすじ】昭和49年、田中角栄は総理大臣を辞任、意気消沈しているところにロッキード事件が襲い、自民党を離党するもなおも裏で権力を操る院政時代が続く。若手の芽が摘まれることに業を煮やした竹下、金丸、小沢が一念発起、田中を裏切る。田中はショックで倒れ、歩くこともままならなくなる。それでも田中の復活を信じる新潟県民はトップ当選というエールを送るのだったが、巨星が堕ちる時は刻々と迫っていた。
出世を目指す男たちの物語。計略、嫉妬、世辞、卑屈、憎悪が渦巻く。この巨大な渦はどんな想いも飲み込むのだ。鉄は国家なり。文明の母なり。産業の米と言われていた時代があった。小人は合従連衡を繰り返し、巨人へと変貌。その巨人をもっと強く逞しく大きくするために。今日も私たちは胃に穴をあけながら働く。学閥、派閥、閨閥、そんな閥と罰の世界。なぜ私たちはここで上を目指すのか。それはそこにすごいものがあるからだ。た
戦後復興の立役者と言われる吉田茂。戦後混乱の中、強烈なワンマンリーダーシップで政界を率いた第45代内閣総理大臣吉田茂は、GHQとの交渉で成立させた日本国憲法公布時の首相である。そんな吉田を通して「憲法とは」「天皇とは」「戦後とは」を問いかける。「闇の将軍」三部作に次ぐ新しい政争劇をここに。
高等小学校卒でありながら内閣総理大臣にまで上り詰めた今太閤田中角栄。本作は田中角栄が総理大臣になる15~6年前、昭和30年代初期の氏を中心にした政治家たちの内幕劇です。「昭和の妖怪」と呼ばれた岸信介総理だった頃、いわゆる自民党55年体制発足直後の政治闘争をモチーフにしています。登場人物は、のちに岸政権を引き継ぐ面々、池田勇人、佐藤栄作、福田赳夫、大平正芳に加え、「国家老」と呼ばれた秘書の本間幸一や
【あらすじ】昭和46年、田中角栄は総理大臣への野望を自覚していた。しかし現総理である佐藤栄作は実兄岸信介の意向により福田赳夫に禅譲することを決めていた。日本列島改造論を引っ提げ国内経済を重視する田中と憲法改正を是とし節度ある生活を目指す福田、どちらの政治思想が世の中を動かすのか、思想と金が飛び交う史上最大の「戦争」の火ぶたが切って落とされた。
西瓜糖第9回公演
昭和40年代の東京 文化人類学の教授である城戸崎裕介(中尾)は妻・志穂(山像)娘・裕子(磯部)と平穏で暖かな日々を送っていた。そこに不意に訪れた輝くばかりの田舎の青年、坂幹人(三津谷)。そしてまた、導かれるようにやってくる一人の女――澤野麻巳(奥山)。一つ屋根の下に集う者たちの糸が、少しずつ少しずつ絡まりだし、不協和音を奏でていく……。
第二次世界大戦末期、日本の刑務所で、ある看守が殺された。新任の若い看守が殺人犯の捜索にあたる。殺された男の服のポケットには一編の詩が入っていた。その詩を書いたのは尹東柱(ユン・ドンジュ)、刑務所の囚人だった。男はなぜその詩を持っていたのか?誰がなぜ男を殺したのか?韓国の国民的詩人として愛される尹東柱の最後の日々を想像力豊かに描いたイ・ジョンミョンの小説を、日韓の演劇交流を続けてきたシライケイタ氏の