陸の上には「るーる」の国の王がいて、
海の底には「ひーる」の国の王がいる・・・
その国は蔵王(ざおう)が作り、ルールを定めた国だった。
王の子、蛭子(ヒルコ)の死を巡って、ある秘密の因縁が存在する。
そんな国の末端の漁村に“えびす”という半身不随の仮面の男が
漂着し、 人々の想像を掻き立てる。
それが復讐に帰って来た青鐘やヒルコに違いないと恐れる蔵王だ
が、はたしてその正体は・・・?
1990年、早稲田大学演劇サークル「演劇倶楽部」のメンバーであった 松村武、八嶋智人、吉田晋一ら5名で旗揚げ。
以来、主宰の松村武が全作品の作・演出を担当。
八嶋智人、山崎樹範ら映像でも活躍する個性的な役者が揃う。
ハイテンションでテンポのよい笑いで壮大な物語へと観客を連れ去る独特の作風と、演劇ならではの表現にこだわったダイナミックな演出に定評がある。
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時間に打ち捨てられた湖畔の劇場は今や無人の廃墟。のはずが、何かが中で蠢いている。貝殻がうず高く積まれた山から異臭が漂う。真夜中に群れる真っ黒な浮浪者の影。彼らはヤチマタの境を越えてやってくる。魔人猿田彦が巡回する半透明有刺鉄線の柵を隔て、ヒラフ貝の吐息が織りなす脆弱な虚構の物語と、荒野をさすらう流賊達の無頼な生き様が、渦を巻いて混ざり合い、警告の鐘を奏で、やがて湖底の怪物の目を覚ましてしまう。
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20世紀初頭。人類初の有人飛行を成し遂げたライト兄弟。そこにやってくるあの有名な名探偵シャーロック・ホームズ。ホームズは先日起こった殺人事件の捜査でライト兄弟にとある人物のことを聞きにやってきたという。その男の名前はアームストロング。有人飛行時のパイロットをした男だ。しかし、彼はある日突然行方をくらましたという。彼がパイロットをした1号機と共に。一体、アームストロングはどこへ行方をくらましたのか。