その山と谷の成分を、感情と呼ぶ。
雪子の葬儀に、親類や友人は誰ひとり参列しなかった。なぜなら、雪子のアドレス帳に書かれていたものは、すべて架空だったから。そして夫の元には、雪子の綴った日記と自転車だけが残されるのだが、日記帳はなぜか最後のページだけが破り取られており……
リアルなドラマを標榜する演劇プロジェクトチーム。主宰・矢柴俊博、演出・射延憲児、脚本・日下由子、コピ-ライター・大賀郁子ら早稲田大学劇団森-Shin-出身のメンバーで1994年から活動。J・P・シャンリィや松田正隆、日下の戯曲を、激しい感情の世界もささやかな日常の隙間も、すべからくリアルな呼吸で、伝統と先鋭を秘めたドラマに仕立てる。2000年に「七分袖、ほくろ。」で、第13回パルテノン多摩小劇場フェスティバル最優秀賞を受賞。