劇団には2年ぶりの新作書き下ろしとなった、平田オリザが市民社会の脆弱さを鋭く衝いた問題作。寮廃止反対運動から市民運動に発展したある集会を舞台に、一つの集団の崩壊の過程と、そこに潜む狂気を克明に描き、大きな波紋を呼んだ。02年には全国ツアーも行う。
平田オリザを中心に1982年に結成された劇団。こまばアゴラ劇場を拠点とし、 平田オリザが提唱した「現代口語演劇理論」を通じて、新しい演劇様式を追求。この演劇理論は1990年代以降の演劇界に強い影響を与え続けている。 また、複数の演出家、劇作家、多数の俳優を有し、日本では珍しい「シアターカンパニー」として活動を続けており、若手アーティスト育成の場としても着実な実績を上げ、才気あるアーティストを多く輩出している。 2020年に劇団の機能を兵庫県豊岡市に移し、豊岡から演劇作品を創作・発信している。
202×年、ヨーロッパの大戦で死亡した天才科学者の脳だけが生きのこる。その脳の受け入れを巡って延々と交わされる先端科学の議論と膨大な無駄話。
『カガクするココロ』『北限の猿』に続く、カガクシリーズの完結編の初演を収録。202X年、ヨーロッパの大戦で死亡した天才科学者の脳だけが生きのこる。その脳の受け入れを巡って延々と交わされる先端科学の議論と膨大な無駄話…。急速に進歩する脳研究の世界を舞台に「人間とは何か」を問いかける問題作。
東京都内某所の雨が続く工事現場に、折り悪く遺跡が発見される。遅々として進まない工事。工事現場の人々、発掘の学生達、ゼネコン社員や文化庁の職員など、様々な人間達がだらだらと集まる飯場に、ユーモラスな会話が、いつ果てるともなく繰り広げられる。青年団史上、もっともくだらない人情喜劇。
1994年に青年団プロデュース公演として、第七病棟の緑魔子を客演に迎え、「唐十郎さんや石橋蓮司さんが少女のイメージで捉える緑魔子さんとは違う現在の彼女」を登場させて話題となった。宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』や『青森挽歌』、内田百閒の『阿房列車』、寺山修司の『コメット・イケヤ』などを題材にとり、3 人の男女の複雑に絡み合う想いを、行く先が定かでない曲がりくねった線路の上を走る列車に乗せて描く。