きのう落とし忘れたPCがまぶたを刺す。肩はぼんやりとしたひかりに囲まれて、ようやく輪郭線を生んでいる。
部屋にのこるけんかの痕跡が、いよいよ目の前にあらわれる。
日はのぼるらしい。俺はあるはずのない水平線を、窓に感じている。
それを眺めるほか、できることはあるのだろうか?
第13回せんがわ劇場演劇コンクール参加・オーディエンス賞受賞作品。
恋人と別れた人の部屋に、深夜友人が訪ねてくる。
2019年に活動を開始し、主に都内にて演劇作品を上演する団体です。
「自分ひとりと自分ではないひとのたくさんしかいない」ということを基底に、日常的な会話から成り立つ現代劇を行なっています。
「自分は自分である(=他者にはなることができない)」という普遍性を、ときには肯定的にとらえ、あらゆる人がもつ自己と外部との境界線についてのさまざまな認識や問題、苦しみを作品のテーマとしています。