せんがわ劇場の客席と舞台との距離や空気の層に、霧の立ち込めるような鬱蒼さを感じました。さらに、強固な空間には根を張ったような印象を。
これまでは、ぎゅうぎゅうとした生活圏内で人と距離を取ること、取らないこと、あるいは取れないことを多く考えてきたように思います。
今作のモチーフは森です。他者だけではない広い外部の世界に、どのように自分を置くのでしょう。
2019年に活動を開始し、主に都内にて演劇作品を上演する団体です。
「自分ひとりと自分ではないひとのたくさんしかいない」ということを基底に、日常的な会話から成り立つ現代劇を行なっています。
「自分は自分である(=他者にはなることができない)」という普遍性を、ときには肯定的にとらえ、あらゆる人がもつ自己と外部との境界線についてのさまざまな認識や問題、苦しみを作品のテーマとしています。