「記憶の沼」のみなそこから湧き上がり、吐き出され、吞み込まれてゆく数々の物語。地上でもあり水中でもあるような、あいまいな境界に繰り広げられる女性舞踏の饗宴。
1981年、大駱駝艦から独立した鳥居えびす・田中陸奥子が設立した舞踏カンパニー。主宰の鳥居えびすが作・振付・美術・衣裳デザインをトータルに手がけ、90年代からは海外ツアーも多く行い、鳥居の舞踏は「闇のポエジー」として高く評価された。2013年に鳥居えびすが逝去。2015年より、田中陸奥子を中心に新たな天鷄が始動、<鳥居えびす作品Selection>として、2017年に「女中たち」、2018年に「姉姉妹shishimai」を上演するなど、鳥居えびすの遺志を継いで活動している。
ダンスがみたい!
「ダンスがみたい14.崩れる身体」参加作品。彼岸と此岸の間に揺れる男女のデュエット。2013年鳥居えびすの急逝により、本作は鳥居と田中陸奥子の最後のデュオ作品となった。
イギリス児童文学の傑作、ルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」に触発され、構想された作品。白兎に導かれ、白い闇の中、眠りの中の非連続のシュールな世界が繰り広げられる。アジアのアリスを求めて驚きと可笑しさばかりのノンセンスワールド。
1994年に東京にて初演。96年に北米、ドイツ7都市で海外初演され、以後2007年まで海外の多くの都市で上演されている舞踏舎天鷄の代表作。「夜」をテーマに、さまざまな夢のかたちが、飛躍と変容に満ちた舞踏手法によって追求されている。