人間のいとおしさを謳いあげる大豆鼓ファームの、初の東北遠征公演。青葉城下に位置する大橋の下、広瀬川の流れの上に舞台・客席を設営、舞台バックの川面には高さ8メートルのステンドグラスを立ちあげた。川と共に生きる川原者たち―女はヨタカ、男は泥棒-が盗って笑って捕られて泣いて、泥無垢姿の人間模様を描き出す。
公演は度重なる雨天にみまわれ、舞台の上にも川が流れる。路上時代から使われていたピアノはついにお釈迦となった。
1996年~2003年まで活動した舞踏オーケストラ。大駱駝艦出身の星野健一郎、美術の青山健一、音楽の佐々木彩子が核となり、「目の見えない人には唄を、耳の聴こえない人には踊りを、口のきけない人には目いっぱいの笑いを。」をモットーに、踊り手、演奏者、絵描きらが集まり結成された。既存の劇場ではなく、洞窟や河原などで特設会場を設営、その土地に存在する風景や歴史を織り込んだ、体と音と美術をぶつけ合わせるスペクタクルな舞台を真骨頂とし、一貫して人間の愛おしさを謳いあげた。
採石場跡地である巨大洞窟の奥行200mのスロープ部分を山に見たてて舞台とし、山にこもらざるをえなかった異人達の“藍”のように心にしみていく情感を描いた。そこに登場するのは、山姥、座頭、股旅者、捨てられていった姥達ら。それぞれが山に生き、深めていった“心の藍”を表現した。真夏でも気温7.8℃の地下空間に、踊り手の息遣いや足音、そして楽隊の演奏が物哀しくも力強く響きわたった。この公演では山田まさし一座
田に沈む数限りない歴史のあしあとを踏む砺波平野の風をめしませ、「嬶ァ烈伝」。城端町細野の田んぼの上に造られた野外劇場で、田の神様の力を借り、カミさん(嬶ァ)の底力を踊る。観客は開演2時間前の日の暮れる前から屋台や出し物も楽しんだ。