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三島由紀夫没後五十年 プラス1
愛が見せる地獄・芸術という名の狂気。この世ならぬ様を描かんとする絵師の執念に、美しき乙女は命を差し出し業火の贄となる。幼年期の三島由紀夫が芸術と美への感性を育む素地であった歌舞伎。そのオマージュである「三島歌舞伎」の第一作『地獄變』、極彩色の世界を花組芝居が総力を挙げてネオかぶきへと昇華する!時は平安の頃。絵師・良秀は、天下一の腕前だと都で評判を得ていたが、高慢で変わり者だと噂される男だった。彼に
医学の神アスクレピオスの持つ杖には一匹の蛇が絡みついている。ある日、蛇は主の杖から這い出して薬品調剤を司る天秤にこう言った。「人間の命の限界を超えてみないか」天秤は頷いた。なんと素晴らしい提案だろう。人間の命の限界を超える。蛇も天秤も本気だった。しかし蛇は神ではなかった。彼らはその事に気付かなかった。医学と薬学。命と交差する学問の前で欲と虚栄と自尊に溺れる彼らの姿はまるで人間の様だった。
