EARTH WORKS DANCE PROJECT
1986年に大谷石地下採掘場跡で「アボリジニィ」を上演した滑川五郎は、東京を拠点に活動していたが、1996年、自身の舞台を方向づけた大谷町に拠点を移す。空間に活かされる形、空間に身体を任せる舞台を求め、太古の呼吸を感じたという大谷資料館で、再び総合舞台を創出。チラシには「古代人の見た宇宙、魂のプロメテウス」とある。「アラハバキ」とは、主に東北地方から関東地方で信仰されてきた謎の包まれた神のこと。
天と地 / 火と水 / 水と油 / 生と死 / 豆腐と鉄鎚 / 右手と左手 / 石と紅 / 男と女 / 臼と杵 / 大便と小便 / 頭と尻 / 月とスッポン / 明と暗 / 無音と音 / 老子と孔子 / 兄と弟 / 金魚鉢と太平洋 / 赤と黒 / 狐と狸 / 花と龍 / 内と外 / 床と天井 / ヘビとネズミ / 鏡と人形 / 点と線 / 麦と兵隊 / 泥と砂 / 乾燥と湿潤 / 手と足 / 肘と
「雪摺りの縁茫然とボケ七面鳥が鷹と なり 雪のはからい」 (ビショップ山田)北国の鷹匠をモチーフにした作品。鷹のイメージの元となっているのは、1975年に山形県で上演された北方舞踏派結成記念公演「塩首」に、土方巽が生きたまま連れ込んだ七面鳥。そのまま稽古場で飼ったが死んでしまった。土方が振りを全て変え、鷹匠の妻役と同時に女鷹役を務めた雪雄子は、土方から魂が乗り移っていくような気迫のある舞台だったと
山田せつ子と神領國資のデユオ作品。丸太で組まれた櫓と堆積された泥土、置かれた石は古代の祭儀の場所のように見える。動物を模するかのような神領國資の舞踏が生贄のような山田せつ子の舞踏と交差する。笠井叡が主宰する天使館出身の二人のこの作品は、天使館が踊ることと神秘主義を結びつけた要素が深く刻まれた作品とも言える。東京公演の後、フランス、シャトーヴァロン・ダンスフェステイバルに招聘されている。