「……がさつだったが、物事すべて明るく輝いていたあの時代。物資は乏しかったがお互いの間に優しさが満ち溢れていたあの創世期。お腹には何も入っていなかったが、胸にはちきれそうな、理想と希望があったあの頃。」──あの『キャッツ』がロンドンで誕生する十年前に、井上ひさしが世に送り出した、ネコだけが主役のミュージカル『十一ぴきのねこ』。現代演劇を牽引する長塚圭史が、この作品で井上戯曲を初演出にして初ミュージ
生きることは絵空事、束の間の妄想にすぎない。うつつか夢か、光か影か、桜か雪か……真を求めて偽に出会う。舞台は百花繚乱元禄の世。あの「忠臣蔵」が、今、虚実の狭間に蘇る時は元禄。人気役者・沢村宗十郎(藤木直人)は豪商・天野屋利兵衛(生瀬勝久)に、娘のおかる(中越典子)を嫁にしたいと懇願するが、まったく相手にされない。大石内蔵助(橋本じゅん)は、主君・浅野内匠頭(中村まこと)が吉良上野介(粟根まこと)と
1989年10月第3回青山演劇フェスティバルにて初演された作品のアンコール公演。当時まだ大阪を本拠地にしていた「劇団☆新感線」が大きく躍進する契機となった作品である。
(フライヤーより)ヤマトの民は火の民なり。その身は鉄、その息は炎。彼らの行くところ、山川(やまかわ)ことごとに動(とよ)み、国土(くにつち)みな震(ゆ)りき。青山(あおやま)を枯山(かれやま)となし河海(かわうみ)をことごとに飲み干し、国(くに)の内(うち)の人民(ひとたみ)を多(おお)に死なしむる。
(フライヤーより)「このままこいつと結婚するんだろうなぁ……」そんな風に、マンネリしていた田山と恋人たま子。2人を引き裂いたのは、たま子の突然の死だった。悲しむでもなく、結構楽しく日常生活を送る田山をこっそり見守るたま子。そんなたま子を、天国へ連れて行こうとあの手この手で説得する天使・巴。-「死んだ人間は無力なんです」「納得いかないんだよなぁ」-’89年に東京サンシャインボーイズが上演、今年7月に
社団法人日本劇団協議会10周年記念
『リチャード三世』『リア王』『ロミオとジュリエット』『ハムレット』など、シェイクスピアが生涯に残した数々の作品の筋立てを、縦に横にと織り込んだまさにシェイクスピアづくしのこの作品。1974年に初演され、以後一度も顧みられることのなかった井上ひさしの幻の傑作を、いのうえひでのり(劇団☆新感線).が演出。その華麗な、そして儚い世界が今よみがえる。