【Story】
主人公の少女aは、夏休みの間、マンションの自分の部屋で一日中テレビばかり見て過ごしています。テレビを見ながらうたたねをしてしまった少女aの夢の中にもテレビのスポーツ番組やドラマ、ニュースの画像が現われます。舞台はこの少女の夢の世界から始まります。
やがて目覚めた少女aは去年事故でなくなった弟のワタルの墓参りに出掛けます。弟の墓地は周りをビルに囲まれた小高い丘の都会にはちょっと珍しい場所です。墓地へ向かう途中の道で少女aはさまざまな不思議な影に驚かされます。それは子供たちの遊ぶおもちゃの影なのですが、テレビ漬けの少女aにはそれが実像なのか虚像なのか区別がつきにくいのです。
突然強い風が吹き、辺りの風景が一変し、そこに死んだはずの弟、ワタルが現われます…。
そしてふたりは夏の強い陽射しが作る濃い影の街を走ります。
【Note】
維新派で初めて初演が海外で行われた作品。2005年10月、メキシコの世界遺産の街・グアナファトで行われた中南米最大のフェスティバル、セルバンティーノフェスティバルにおいて初演され、その後、ブラジル・サントスのセスキ劇場へ巡演し、好評を博す。
その翌年、梅田芸術劇場にて『nocturne』(新国立劇場)以来、約3年ぶりとなる本格的な劇場公演を行った。この大阪公演ではセット、脚本ともに大幅に改訂され、テーマとした「光と影」のより緻密な作品世界を表現した。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
1970年、松本雄吉を中心に設立。関西を拠点とし、国内外のさまざまな土地で公演を行った。1991年、東京・汐留での野外公演『少年街』より、独自のスタイル“ヂャンヂャン☆オペラ”を確立する。発語、踊り、音楽など、どの点においても世界的に類を見ない集団で、特に、自らの手で巨大な劇場と屋台村を作り上げ、まるで小さな街のようなその劇空間は、終わると一切の痕跡も残さなかった。その独創性は演劇という枠を超え、同時代の表現者たちに多くの影響を与えた。2017年12月に解散。
【Note】都会の廃校体育館を劇場に改造した公演。 大戦直後の都市浮浪児たちが繰り広げる冒険活劇。屋内に「青空」をつくりこんだ。 回転舞台の焼跡オオサカがやがて高層ビルの未来都市に。
【Story】都市の地下下水道の汚水の川を疾走する中国人密航者たち、道路標識マークのシャツの少年たち、彼らを追いかける浮浪者の老人、そして少年A。 少年Aは道路標識のシャツの少年が落としたトランジスタラジオを拾う。それは彼が浮浪者の老人から奪ったものだ。過去のブラジル移民のニュースがラジオから流れ、少年Aはその音に導かれて不思議な旅に出る。それは浮浪者の老人の過去への旅だった…。【Note】維新派
【Story】「水街」 舞台近景遠景画像舟で旅するタケルは偶然に水路に落ちたカナという少女を助け、その姉であるナオと知り合う。ナオとカナが住んでいるのは、水の上に建てられた移民の街。沖縄からの移民である彼らの仲間、マサモリやセントクとも仲良くなったタケルだが、再び太平洋を西に向かう旅に出る。ナオの元にブラジルにいる叔父からの手紙が届く。ナオとカナはブラジルに移民する決意をして。【Note】「王國」
《彼》と旅をする20世紀三部作#3
【Story】多くの島が広がるアジアの海、多島海。その南の海から、島づたいに日本にたどり着く道を、「海の道」と呼びます。 それらの島々を舞台にして、日本から東南アジアへ渡った人々、アジアから日本へ渡ってきた人々にまつわる様々な逸話をもとに、「20世紀の海の道」を描きます。【Note】〈彼〉と旅をする20世紀三部作の最終章となったアジア篇は、維新派史上最大の野外劇場にて上演。 劇場や舞台セットだけで