派兵先の戦場で地雷原を歩き続ける二人の自衛官、
親分の命令で屋敷の庭を守る地雷を入手する旅に出たヤクザ、
地雷撤去に憧れを抱く義足の女の「冒険」、
地雷製造会社で働く父親と家族の日常、
セントラルパークに埋められた地雷に翻弄されるNY市警の警官たち、
地雷に囲まれ、村から追われた難民の物語……。
「地雷」をめぐる様々な物語が交錯する。
名前を変え形を変え世界中に存在する子供達の遊び「だるまさんがころんだ」が、
いま、 戦場の現実を堪え忍ぶ人々の祈りとして再生する……。
初演以降、国内でのツアーを数多く実施。2011年にはトビリシ(ジョージア)、フランクフルト(ドイツ)でも上演している。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
事前予約フォームより予約の上、ご来館ください。
1982年創立。主宰である坂手洋二の作・演出作品を中心に、社会性・実験性の高さと、豊かな表現力を兼ね備えた、斬新で意欲的な新作公演を重ねている。国内での年3~5本の公演・ツアーの他、『神々の国の首都』『屋根裏』等で海外16カ国29 都市の公演を行う。1999年『天皇と接吻』第7回読売演劇大賞優秀作品賞、2002年『最後の一人までが全体である』第10回読売演劇大賞優秀作品賞、2004年『だるまさんがころんだ』第12 回読売演劇大賞選考委員特別賞。
海の向こうには、もうひとりの自分がいる。彼方に戦場を臨む海。国境を越え、時代を越え、鯨捕りたちの新たな旅が始まる!捕鯨漁をする南の島ラマレラに、日本兵が流れ着く。日本語、英語、インドネシア語の台詞が激しく飛び交う「くじら獲り」を通じて、日本兵たちはその島の人々に自分自身を見出していく。「揺れ動く世界の動向をよそに、私たちはユートピアを作った」
東京都のゴミ収集袋に指定がなく,中身の見えない黒いゴミ袋が全盛だった1990年。うち捨てられた失踪中の弁護士、ゴミ収集を生業とする者たち、夜ごと集まり「パパ」と呼ばれる初老の男にゴミを届ける娘たち、娘を探す夫婦・・・ビルの谷間の高架下で出会った孤独な魂が、救済の雪を待望する。同時に「不特定多数の娘を持った『リア王』の物語」として、フェミニズム問題をも視座に入れたシェイクスピア作品への新解釈を示す。
ええ、私はサイパンを離れずに、ずっと待っていましたよ、あなたを。 だってそうでしょう。日本は戦争に負けたことなんて、一度っきりもないんですから。米軍との激戦、日本軍の玉砕。タッポーチョ山のゲリラ戦、バンザイ・クリフでの集団自決。そして、東京大空襲・原爆投下の爆撃機は、ここから飛び立った──。太平洋の小さな島、サイパン・テニアンが日本領だった、二十九年間。その終止符を打ったはずの戦争を、私たちはほん
1987年11月29日 北の海の上空で大韓航空機が爆破された。ソウル・オリンピックを翌年に控えた韓国をはじめ、東アジア各国は騒然となった。翌年1月15日 韓国国家安全企画部は捜査結果を発表、金正日書記の指示に基づいて行った北朝鮮による爆破テロであると断定した。爆弾をセットしたのは「ハチヤ」と名乗る初老の男と「真由美」を名乗る若い娘。親子のようにも見える二人連れだった。記者会見では「真由美」こと金賢