江戸南郊、麻布が原—異界と人界、男と女。妖かしたちの深い情は、時空を超えて生命を継承していく。作家・小林恭二が自身の小説を戯曲化した“カブキ”的、新・都市伝説。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
「1980」と書いて「イチキュウハチマル」 、通称ハチマル。
横浜放送映画専門学校(創設者=今村昌平 現:日本映画大学)を母体とし、演劇科卒業生が創立メンバーとなって、文字通り1980年に結成。首都圏劇場での新作公演の他、演鑑公演・学校公演、ルーマニア・モルドヴァ・ブラジル・韓国等での海外公演を実施。また若手俳優陣を中心とする劇団アトリエでの実験的創作など、さまざまな形態で舞台作品を発表しながら、ハチマル的オリジナリティと演劇表現のさらなる可能性を追求し続けています。
劇団1980・新宿梁山泊 合同企画公演
150年前の渋谷・道玄坂。宇田川の畔で出逢った若い男女。二人は求め合い、引き裂かれ、異界を駆け、運命を知る。そして永久にも近い時間を隔てて尚、再び出逢う約束を誓う。今生の命を捨てて――三島賞作家・小林恭二が自身の小説『宇田川心中』を初戯曲化し、劇団1980+新宿梁山泊という二つの演劇集団が合同企画で立ち上げた舞台。演出は情念とロマンを明快に、且つビジュアルに放電する金守珍。「青山公園=青山墓地下」
日本のレコード歌謡の草創期——昭和4年、「東京行進曲」の大ヒットで一世を風靡した歌姫・佐藤千夜子。激動した時代を奔放に駆け抜けた一人の女性歌手の生涯を、演出家・関矢幸雄が提唱する“素劇(すげき)”で描いた、劇団1980の代表作。舞台美術や照明、衣裳やメイクにたよらず、何もない空間の中で、”見立て”を駆使したシンプルで、しかも創造力豊かな劇様式です。見立てであるからこそ自由、何もないからこそ高まる想
「鳥取」が「島根」だったころ…。明治4年、明治政府は版(土地)籍(人民)奉還の具現化を目指し「廃藩置県」に踏み切った。藩は県と改められ、全国に3府302県が誕生、同時に鎌倉幕府開闢以来670年余に及んだ封建制社会は終わり、日本という「国家」を母体とした国造りが始まった。これは明治の奔流の中で、哀れなほどに奇形化していった鳥取の貧窮士族たちの物語である。藤田傳「日本土民考」シリーズ第3作。 “日本の
忘れたくとも忘れられない記憶、忘れてはならないのに徐々に薄れゆく記憶——55年ぶりに再会した二人の老人。車椅子で対峙する二人の闇のような沈黙の中に、戦争の記憶が亡霊のように浮かび上がる。中国戦線、陸軍病院、上官命令、捕虜虐待及び虐殺…。戸井昌造の自伝的エッセイ『戦争案内』を原案として、藤田傳が照射した“日本”が忘れてはならない記憶。木偶人形を斬新に取り入れた演出で、戦争の無惨さを鮮烈に描いた舞台。
