誰かの何気ない一言で湧き上がってきた感情。
突然、心の中に火花のように現れては消えていく衝動。
見知らぬ人の芳香や懐かしい音楽が、否応なしに引きずり出す思い出。
それらはふとしたきっかけで襲ってくる。意思とは無関係に。
無視することはできても、無かったことにはできない。
私達の日常は平穏に見えて、心の中は様々なものに襲われている。
感情、衝動、思い出。襲ってくるもの。
イキウメの短編シリーズ、第四巻は、意識の中の魔物についての短篇集。
#1「箱詰め男」#2「ミッション」#3「あやつり人間」
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
2003年旗揚げ。主宰は劇作家・演出家の前川知大。『散歩する侵略者』『関数ドミノ』『聖地X』など、オリジナルのSFやオカルト、ホラー作品で、目に見えないものと人間との関わりや、日常の裏側にある世界からの人間の心理を描く。空間・時間をシームレスに編集する演出を特徴とする。
生体情報をもとに、人間の行動が管理されている社会を描いた、近未来SF。そこでは、危険に直面することで、生の強度を上げ、死ぬまでの時間が切り売りされていた。
音楽の手法でのマッシュアップは、異なる音源からトラックの一部をそれぞれ取り出してミックスし、一つの曲にするものである。本作は、短篇シリーズ『図書館的人生』で今まで上演されてきた『青の記憶』、『輪廻TM』、『ゴッド・セーブ・ザ・クイーン』、『賽の河原で踊りまくる「亡霊」』、『東の海の笑わない「帝王」』、『いずれ誰もがコソ泥だ、後は野となれ山となれ』の六篇を使ったマッシュアップ。過去現在未来に存在する
夢とうつつを渡り歩く、SFファンタジー。別居中の夫婦。妻はルームシェアをしていた友人が行方不明になり、警察に連絡をする。妻は夫と同じ夢を見ていることに気がつく。そして、夢の中で見知らぬ男達と出会い、異界に迷い込んだことを知る。悪夢のような真相を知り、現実に戻ろうとするが、目覚めることができない。妻は、夢の中で夢をみて、その階層深くに転落していた。(2008年上演)
「ドミノ幻想」とは、世界はある特定の人間を中心にして回っているとする考え。その人間の願ったことは必ず叶う。願った瞬間にドミノが倒れ、結果に向かって進んでいく。周囲はそれに合わせて調整される。また、ドミノは思いの強さに比例し、スピードを上げる。最も速いものは「ドミノ一個」と呼ばれ、願った瞬間に結果が現れる。それは俗に「奇跡」と呼ばれる。ドミノの力は期間限定である。ランダムに移っていき、誰に備わってい
