1991年、イギリス公演を行った第三舞台の『天使は瞳を閉じて』、凱旋公演を収録。
放射能や宇宙線によって荒廃した世界。奇跡的に生き残った人間たちの街は、ドーム状の膜のような「透明な壁」に守られていた。住民たちは陽気で優しく、幸せそうだ。そんな彼らを見た一人の天使は、人間になってこの街の暮らしに溶け込んだ。
そんな街を、もう一人の天使が見守っている。こちらはいかにも天使らしく、ただ見つめるだけ。変わらない天使の眼差しの前で、夢を見ては破れ、恋をしては傷つき、変わっていく人間たち。やがて、「透明な壁」を街の全住民で破壊し、外の世界へと踏み出そうという計画が持ち上がる。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
サードステージは、1981年に早稲田大学の演劇サークルで6人の学生により結成したグループ「第三舞台」を、その出発点にしています。参加メンバーに若干の入れ替わりはありますが、養成所をつくらず、アンダースタディをおかず、常に10人前後の俳優とスタッフとの関係性とその試行錯誤を、それぞれの時点で舞台作品に結晶させて、自主独立の公演活動を続けてきました。それが「第三舞台」です。そして現在、「第三舞台を含め、第三舞台の俳優とスタッフそれぞれ個別のソロ活動までを包括して製作」してゆくのが「サードステージ」です。サードステージでは、今後これまでに行ってきた公演活動の実績を踏まえ、新たな、かつ、多様な演劇的試みを行っていきたいと考えています。
第三舞台が、1994年に天王洲アイルアートスフィアで上演した作品を収録。たくさんの小集団が潜伏し、団結し、流血し、誰が的で誰が味方かわからない、「もうひとつの日本」。ネット上で密やかに流される「スナフキンの手紙」。美少女アイドルを巡って、日本政府軍と「正しい闘い」を繰り広げる人々のゆくえを描いた、第39回岸田戯曲賞受賞作品。
2011年に上演された、第三舞台の封印解除&解散公演。遠い未来、地球人の支配下にある惑星アルティア65を舞台に、地球人とこの星の関係、それぞれの過去、多くの謎が交錯する。スピード感あふれるセリフ回しと場面転換、シリアスと笑いの境界を自由奔放に行き来する唯一無二のエンターテインメント。
第三舞台が1990年にBunkamuraシアターコクーンで上演した作品を収録。一人の男のもとに一通の手紙が届く。その手紙にはただ一言『お前を誘拐した』そう書いてあった。一人の男が書いたノートを巡り、人々が交錯する。
「私は他人である」 もう一人の自分が残したメモにはそう記されていた。フリーライターの立原雅人、精神科医の紅谷礼子、そしてゲイ・バーに勤める後藤参三。作家志望の雅人は、時々自分が自分でないような錯覚にとらわれ、礼子の勤める病院を訪れる。そんな折、偶然雅人と再会した参三は、雅人の看護をすることになり、3人は高校卒業以来、初めて顔を揃えることになった。そして...。