三つの部屋でそれぞれ別の取り調べが行われている。被疑者はそれぞれ「国家公務員」「精米店の女主人」「男子大学生」。どの部屋でも、問い詰める側は「許せない」という「正義」を振りかざし、厳しい追及の手を少しもゆるめない。だが、疑われる側にもまた「なぜ悪い」という言い分があり、こちらにもどうしても譲れない「正義」がある。やがて、無関係だった三つの取り調べに共通する「思わぬ事件」が背後に浮かび上がる。それは「福島第一原子力発電所の爆発」によって引き起こされた理不尽な日常の実態だった……。果たして、「誰の言い分が正当なのか?」「正義とは何なのか?」。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
一跡二跳を2008年に解散後、2009年に新たな演劇集団としてワンツーワークスを結成。2010年4月旗揚げ公演以降、年に2~3本の主催公演のほか地方公演多数。古城十忍のオリジナル戯曲の他、翻訳劇、ドキュメンタリー・シアターの製作を柱とし、ジャーナリスティックな社会派演劇を上演する。
元新聞記者のヤブさんは、妻に先立たれ60代半ばで独り暮らし。やがてヤブさんの目に異変が起こる。右目で見える像と左目で見える像がブレ始め、二つの像はとうとう独立してしまったのだ……。ヤブさんから見れば娘の佐和子も2人、娘婿でかつての部下の松木も2人……。事態にうろたえたヤブさんは、なんとか収拾を図ろうと自分に言い聞かせ、ついに余計に見える像を消すことに成功するのだが、消されたのは本物の佐和子と松木
ある会社の新規プロジェクトに各部署から8人の社員が集められる。元企画推進局次長「氷室」はチームリーダーとして意欲に燃えるが、営業三課から来た女性幹部「浅間」も「私もリーダーを任されている」と言う。かくしてプロジェクト・チームはたちまち二分されて徐々に対立が起こり始め、それはパワハラ、セクハラ、誹謗中傷、強制排除へとエスカレートしていく。果たしてチームの面々は無事にプロジェクトを達成できるのか?――
ニッポン全国、今夜もパソコン通信であちこちに会話の花が咲く。ハンドル名「ヤリタイ」「シタイ」「小夜子」「天涯孤独」の4人もそんな仲間だ。ところが初めて直接に顔を合わせる「オフ会」が近いというのに、シタイからの連絡が途絶えてしまう。そしてある日、仲間全員にシタイから謎のEメールが。指示に従ってヤリタイが手に入れたのは、白い粉の入った謎の小瓶……。それは小夜子にも天涯孤独にも届けられていた。シタイは何
わずかずつ、わずかずつ/気がつくたびに日1日と/部屋が狭くなってきている。11日前の水曜日/不安を抑え切れずに/金物屋から5メ—トル計のメジャ—を買ってきた/今日だって3回計測した/昨日より1回増やしたのだ/壁から壁。/決してその手は震えていなかったのに/部屋は一晩で23ミリメ—トルもちぢんでいた/一昨日から昨日にかけてが19ミリメートル/ついに20ミリメートルを超えた/部屋は加速度を増しているく