舞台は全面、激しく急な斜面。それはリビングの床だ。その家に一人、また一人と家族が戻ってくる。どうやら家族はバラバラに暮らしていたらしい。集まった家族は激しく傾いたその床にテーブルや椅子を釘で打ちつけ、重力に逆らい、滑り落ちそうになるのを堪えながら、なんでもないことのように団欒の準備を始める。誰かを待っているのだ。やがて最後の家族の一人が現れる。それは友達を殴って「傷害致死」で少年院に入っていた末の息子だった。――傾斜30度という巨大な滑り台上の舞台を劇場に出現させ、急斜面上で展開する、少年犯罪を犯してしまった「家族の再生」の物語。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
1986年7月の旗揚げ公演以来、2008年7月の解散公演(第60回公演)までの21年、古城十忍の作・演出による作品を上演。2009年よりワンツーワークスとして活動を再開する。
フリージャーナリスト「市井宗高」が紛争国に入り、消息を絶つ。母「順子」は無事を祈りつつ、毎日お百度参りをし、鶴を折る。宗高の友人で新聞記者の「司由起人」は順子に取材を重ねるが、宗高の妻「実花」は「これは自己責任だから」と言いだし、取材を拒否するよう順子を諫める。そんな折、テロ組織に拘束された宗高の無惨な姿がニュースで流される。一方、由起人には30歳過ぎてなお非正規雇用で苦しい生活を続ける弟「真奈人
殺人事件の犯人は双子で、主犯格の弟「幸司」は死刑、補助役の兄「憲司」は無期懲役がそれぞれ確定する。刑務官たちは死刑囚となった幸司と日々接するうちに、「死刑の在り方」について自らに問い直していく。というのも死刑囚となった幸司は驚くほどの真人間へと更正していくのだが、無期懲役の憲司は自分の罪に真摯に向き合っているとは言い難かったからである。刑務官たちの心は揺れる。死刑は廃止すべきと考える者、刑が確定し
この話は宇宙からのメッセージを受け取った人々が、その真偽を巡って葛藤する様子を描いたものである。宇宙開発が進む少し未来のある日、双子の寺尾兄弟(一人二役で演じる)は宇宙開発機構に勤めているが、そこで思わぬ陰謀が進んでいることを知り、それを阻止しようとする。危険を顧みず、機構を脱出して外部に情報を伝えようとするが行く手を阻まれてしまい・・・。登場人物に実在の人名・団体が登場するがこの舞台はすべてフィ
晴れた日の野球場。企業対抗野球選手権に、名もなき中小企業が進出した。即席応援団も勢いに乗るところだが、試合が始まると言うのに人が集まらない。どうにか応援団の形が整ったもののかり出された駆り出されたのは一癖も二癖もある個性豊かな社員ばかり。当然のごとく、仕事への不満、オフィスラブ、出世競争など人間関係の愛憎劇が次々に繰り広げられていく。そして肝心の試合も二転三転・・・。果たして、試合の行方はどうなる