舞踊
配信可能

ビコーズカズコーズ

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ビコーズカズコーズ

日本のダンス作品で、政治や社会を題材にしたものは少ない。しかしケダゴロを率いる下島礼紗は、前作『sky』でカルト教団が起こした地下鉄サリン事件などを描き、海外でも高く評価されてきた。
本作は実在の殺人犯・福田和子がモチーフになっている。福田は顔の整形を繰り返しながら約15年間にわたり警察の手を逃れ、時効成立直前に逮捕され世間を騒がせた。
本作ではダンサーが天井に張り巡らされたパイプに飛びついて逃げ回り、身を隠す。三次元的な動きは驚異的である。
本作中では繰り返し「重力」について語られるのだが、それが「どれだけ逃げても、のがれられないもの」の象徴だとすると、それは「罪の意識」だろうか。福田は若い頃、強盗事件で服役していたとき、刑務所内で組織的に行われた強姦事件の被害者でもあった。それは福田が警察から逃げる原動力だったかもしれない。本作中の二人の男性ダンサーは、「重力」同様のがれられない「男性中心の社会」や「暴力」の象徴にも見えてくるのである。

デジタルアーカイブデータ

利用方法/利用条件について
収録日
2021/6/20(Sun)
権利処理状況
配信可能
字幕データ
日本語、英語、仏語、露語、中国語(繁体字)、中国語(簡体字)、西語
映像分数
64分

作品情報

上演情報
2021/6/17(Thu)~2021/6/20(Sun)小劇場B1(東京都)
出演者・
スタッフ
ダンサー
伊藤 勇太(ケダゴロ)
ダンサー
小泉 沙織(ケダゴロ)
ダンサー
中澤 亜紀(ケダゴロ)
ダンサー
木頃 あかね(ケダゴロ)
ダンサー
下島 礼紗(ケダゴロ)
ダンサー
大西 薫
ダンサー
平田 祐香
ダンサー
竹内 春香
ダンサー
浅川 奏瑛
ダンサー
鹿野 祥平(東京乾電池)
振付家
下島 礼紗(ケダゴロ)
構成・演出
下島 礼紗(ケダゴロ)
舞台美術
新海 雄大
照明
星 洸佳
音響オペレーター
北村 萌
舞台監督
齋藤 元太
舞台監督補佐
久保田 智也
宣伝美術
天満 星南(ケダゴロ)
グッズ担当
末次 杏子(ケダゴロ)
制作協力
林 慶一
企画制作
ケダゴロ
受賞歴など
◆ダンスがみたい!新人シリーズ15『厳しい第三者の目で…』新人賞 (2016)
◆横浜ダンスコレクション2017コンペティションII『オムツをはいたサル』最優秀新人賞・タッチポイントアートファウンデーション賞 W受賞 (2017)
◆5./BODY.RADICAL International Performing Arts Biennial [ハンガリー]『オムツをはいたサル』オーディエンス賞 (2017)
◆New Dance For Asia 2018 3rd Asia Solo&Duo Challenge Masdanza [韓国]『オムツをはいたサル』NDA賞 (2018)
◆SAI Dance Festival 2019 COMPETITION『オムツをはいたサル』最優秀作品賞 (2019)
◆第8回エルスール財団 コンテンポラリーダンス部門 新人賞 (2019)
◆KYOTO CHOREOGRAPHY AWARD『sky』京都賞・オーディエンス賞 W受賞 (2021)

上演団体情報

下島礼紗が主宰するダンスカンパニー。2013年結成。現在は7名のメンバーを軸に活動を行う。主な作品として、連合赤軍事件を題材に、クリエーションの過程を集団的狂気の構造と重ねるカンパニーの代表作『sky』(2018)、1980年代の「松山ホステス殺害事件」犯人である、整形逃亡犯の福田和子を題材とした『ビコーズカズコーズ』(2021年)、最新作として、韓国における「セウォル号沈没事故」に取材した『세월』(2022)などがある。 また、「SIDance」(韓国)や、「Hong Kong Dance Exchange」(香港)など、海外のダンスフェスティバルからも招聘を受ける。 “「ダンス」とは、世の中を解釈する為の一つの手法である” という理念のもと、国境を越えて「論争」を生む作品を国内外で発表している。近年は自作を自ら批評的な視点で解体し、再構築して発表するという独自の再演手法の開発に取り組んでいる。2021年、「KYOTO CHOREOGRAPHY AWARD 2020」にて、大賞にあたる「京都賞」と「オーディエンス賞」をW受賞。下島のソロ活動として『オムツをはいたサル』(2017年初演)は国内外10カ所以上のフェスティバルで上演し多数の賞を獲得。2021年には韓国国立現代舞踊団 「Asian Choreographer Project」 にて、委嘱作品として『黙れ、子宮』(振付・出演)を上演。近年ではアジアを中心に、韓国、香港、シンガポール、インドネシア、台湾、北アイランドなど、海外アーティストとの国際共同制作作品を多数発表している。2022年度より公益財団法人セゾン文化財団<セゾンフェローI>および、ACY<U39 アーティスト・フェロー>。

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