バリアフリー化を余儀なくされる家。独り住む老婆は美意識を損なう老いを受け入れることが出来ない。娘や息子はさらにその先の改装・改築を考える。老婆は彼らにこの家を渡したくはない。同居の甘言を囁く子供達孫達と、歳を重ねるごとに性格が激しく歪む老婆との応酬。さらにこの家を設計した建築家、既に先立った夫の幻影と思い出が現在と入り混じり、ますます老婆の言動は乱れゆく・・・
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
阿佐ヶ谷スパイダースは1996年の旗揚げから、毎回キャストを集めて新作を発表する「演劇プロデュース・ユニット」として活動してきました。これは作品の多様性を高めるためには実に最適な形態であったと言えます。「劇団」と称していなかったからこそ、多くの方々と創作をする機会を得、20年間という年月解散することなく続けて来られたのかもしれません。ですが、沢山の人に支えられ活動してきた20年間で<演劇>を取り巻く状況は大きく様変わりし、同様に我々の思考も変化しました。より「過激」に自分たちの理想を追い求めるため、<より自由に><より幅広く>活動を展開していくために、2017年5月、満を持しあえて「劇団」として活動していくこととなりました。現在劇団員は 36 名。演劇を生業としている者から、会社員・主婦・学生・写真家など様々な業種の劇団員が在籍。緩やかに繋がっているような我々なりの新しいカタチを模索します。
その手紙にはこうあった。三日後に、赤ん坊を殺す。■ものがたり阿佐ヶ谷スパイダース初の男のみの公演は、姉の死の直後、その恋人の男がデリバリーヘルスを呼んでいたことを知った弟の3年に渡る3話構成の復讐劇。1話目は蝉だと言い張って木に貼り付いた男と、彼に住みつかれてしまった刑事との間の奇妙な友情の話。2話目はある誘拐事件を元に慌ただしく捜査を始める、意外に暇な新宿の刑事たちの姿をコミカルに描く。3話目は
■あらすじ 思わぬ事件に巻き込まれ、見知らぬ女と 夜の街へ逃走してゆく或る作家。 そこで作家が出会う人物たちは、知っているようで 知らないが、知らないようで知っている。 彼らと出会ったのは、自らが描いた物語の世界の中で、 ではなかったか。それとも昨日、古本屋ですれ違ったのか。 今夜どこまでが現実で、どこからが幻想なのか。 気がつけば作家は取調室にいた。 この恐ろしい尋問は一体作家をどこへと導くの
様々な女性の恋愛を描いたひとつの町で起こる3話オムニバス。■ものがたり(1)新製品の開発に励むおもちゃ会社の社員たち。遊び半分で匿名投函の目安箱を設けたところ、上司と部下のドロドロ不倫など同僚の裏の顔を告発する内容が多発する。(2)自宅マンションの隙き間に挟まった子供を助けたいが、ダンスパーティーにも行きたくてたまらない夫婦。遊び仲間の乱入は事態を悪化させていく。(3)芸能事務所と称して若者をスカ
医療事故で妻を失った自称漫画家。失意の漫画家は妻との思い出を燃やしてゆく。すると思い出は消えるが、代わりに強大な腕力が漲り次々と怪事件を起こしてゆく。愛国心溢れる漫画家の言う通り、その悲しみは日本のエネルギーに代わるのか。破天荒の漫画家と彼を取り巻く市井の人々と家族の物語。