現代舞踊の異形ー肉体の超越と開示
現代舞踊の異形ー肉体の超越と開示
舞踊批評家の市川雅がプロデュースした「現代舞踊の異形―肉体の超越と開示」展で上演された、笠井叡と大野一雄のデュオ作品。ビアズリーの小説「ヴィーナスとタンホイザー」を基とした作品で、ヴィーナス役を大野一雄が務めた。2020年3月には大野一雄の身体性を川口隆夫が、笠井叡の身体性を笠井瑞丈が踊り、他の笠井・大野デュオ2作品と共にリ・クリエイトされている。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
笠井叡によって1971年に設立された舞踏研究所。その名は、ローマにある城 「天使城」(サンタンジェロ)に因む。天使館では、山田せつ子、山崎広太など多くの踊り手をが研鑽を積んだ。1979年に笠井の渡独により一時活動を中断するが、笠井が1985年に帰国後は新たな天使館が建設され、1991年には4年制のオイリュトミー・シューレ「天使館」も開講、人間の身体にアプローチしていくための技術を研究している。
近親相姦の家庭悲劇を綴ったマルキ・ド・サドの「悲惨物語」(澁澤龍彦訳)を題材に踊る。一幕五場。「舞踏作品集Ⅰ」として上演され、3月には舞踏作品集Ⅱとして、同じくマルキ・ド・サドの作品「ソドム百二十日」(澁澤龍彦訳)を、5月には舞踏作品集Ⅲとして「死美人-エドガー・アラン・ポーに寄せて」を踊った。笠井は1979年3月に発行された自身の著書『神々の黄昏』において、サドの無垢性に触れている。
素戔嗚舞踏團結成公演。笠井叡はこの前年1974年7月に「天照大御神への鎮魂の舞ひ」、同年10月に「傳授の門〜現代における秘儀とは何か〜」を発表。「素戔嗚舞踏団九州公演のためのメッセージ」というテキストでは「いったい第二の天岩戸開きの真霊(まひ)がその建速素戔嗚尊御自身の舞でなくして何であろうか。」(『聖霊舞踏』)と書いている。
2001年にシアタートラムで初演され、海外でも高い評価を得た舞踏家・笠井叡の独舞の代表作『花粉革命』。同作を、息子である笠井瑞丈の身体で再演した。上演の度に、演出・振付に手を加え、熟成されてきた作品を、次代の表現者に引き継ぐ試み。
同年1月の「舞踏作品集Ⅰ 悲惨物語」に続き、澁澤龍彦訳のマルキ・ド・サドの代表作「ソドム百二十日」を踊る。笠井叡は3月10日に『神々の黄昏』を上梓。笠井はその中で、サドの無垢性に触れている。5月には舞踏作品集Ⅲとして「死美人-エドガー・アラン・ポーに寄せて」が上演されるが、その後まもなく、笠井は天使館を一時封印し、オイリュトミーを学ぶために渡独する。