主人公の男が押入れの奥から、昔よく履いていたズボンを見つけたことから始まる。それをコインランドリーの洗濯機に入れた所で、後ろのポケットに、何か大事なものを入れていたことを思い出す。ズボンは見当たらず、代わりに「あなたの過去を上演したいので、上演許可を!!」という、演劇部の女子高生たちが登場?!それを契機に「ラブレターを返して」と迫る昔の彼女など、彼の忘れたい過去が、記憶の渦の中から次々と現れて…。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
1980年10月、大阪芸術大学(舞台芸術学科)の有志により結成。『蛇姫様』(作・唐十郎)で旗揚げ公演後、第2回公演以降は、座長・内藤裕敬のオリジナル作品を上演している。
今も昔も、演劇だけが生み出せる劇的瞬間を探り追いかけている。
南河内万歳一座旗揚げ20周年ファイナル公演
錆びたナイフとは、私達自身のこと。薬品漬けの健康と飲尿による民間療法の間でゆれ動く、私達の体内との会話との会話を笑いと共に混乱してみる。
W・シェイクスピアの名作を憎しみに焦点をあてた解釈で再構成し、レアティーズとの決闘をプロレスの肉弾戦で実現。くり返す因縁から抜け出せぬ人間のバカバカしさを描く。
奥にはがらくたの山、傾いた柱、ふすまの横に喫茶店のカウンターがあり、はたまた床の間のある畳敷きさえも。ここはあるときは、帰らぬ父を待つ少年の暮らす海の家。またあるときは、喫茶店とアパートと民家がひしゃげた形で合体してしまった共同生活場。というのも、物語の背景には阪神淡路大震災の影が落ちているらしく、崩れて寄りかかりあった建物がここなのだ。居場所をなくし、生きるすべをなくした不在の父を求める群像劇。
青春の終わりを予感する青年は、西陽差す六畳一間で孤独な夕暮れを迎えた。古い木造のその部屋には、数々の住人達が残して行った傷、シミ、体温、気配が漂っている。押し入れに布団を敷いて寝ている男の登場をきっかけに、数十年の間、引っ越して来ては去って行ったであろう住人達が次から次へと帰って来てしまい、その部屋の所有を主張する。青春の手応えを見失った青年は自分を証明できるのだろうか…。