みんなの歌が遠くに聞こえる。その1、その2を経て、その3となるこの作品は、誰かが誰かを歌い、みんなでみんなを歌うどこかへ向かおうとすれば、個人主義から新しいコミュニケーションを発想しなければならない現代の困難を描いた。
1980年10月、大阪芸術大学(舞台芸術学科)の有志により結成。『蛇姫様』(作・唐十郎)で旗揚げ公演後、第2回公演以降は、座長・内藤裕敬のオリジナル作品を上演している。
今も昔も、演劇だけが生み出せる劇的瞬間を探り追いかけている。
陸の孤島と化し、立ち退きを迫られた病院を舞台に、わざわざ通院してくる老人や幽体離脱できる入院患者など、病院に集う人々の人間模様を描きながら、神の存在の有無にも踏み込む。
いつも自問自答をくり返すように、人は自身の内部に人格が内在すると感じている。それを魂と呼ぶならば、私達の肉体は魂という使用人に操られているかも知れない。さあ、魂と対決する度に出よう。笑いと共に。
「大胸騒ぎ」とは、“大騒ぎ”と“胸騒ぎ”を合体させた造語。20世紀に楽をさせてもらった世代が今、社会と生活のド真ん中に居座って21世紀の入口に立った。前世紀に楽をさせてもらった分、今世紀に受け取らねばならぬ責任は大きいのだろうか?いや、楽した分以上の重責を背負うことになるのか?その覚悟はいつ決める?私達の感覚「大胸騒ぎ」は果たして、あの世紀末から10年たった現在、どのように受け止められるのだろうか
正義の味方とは、それ自体が正義ではなく、正義の味方につく者のことである。ならば、味方につくべき正義を探さねばならぬ。私達の正義とは何か?それは家族?恋人?仕事?いや、私自身?社会正義が消失した今をさ迷う。