かつて世界一周自転車旅行を成し遂げた平田オリザが15年の歳月を経て発表した意欲作。16歳の旅の記憶を再現してインスタンブールの日本人旅行者たちの不可思議な生態をきめ細かく描く初の自伝的作品。
平田オリザを中心に1982年に結成された劇団。こまばアゴラ劇場を拠点とし、 平田オリザが提唱した「現代口語演劇理論」を通じて、新しい演劇様式を追求。この演劇理論は1990年代以降の演劇界に強い影響を与え続けている。 また、複数の演出家、劇作家、多数の俳優を有し、日本では珍しい「シアターカンパニー」として活動を続けており、若手アーティスト育成の場としても着実な実績を上げ、才気あるアーティストを多く輩出している。 2020年に劇団の機能を兵庫県豊岡市に移し、豊岡から演劇作品を創作・発信している。
東京都内某所の雨が続く工事現場に、折り悪く遺跡が発見される。遅々として進まない工事。工事現場の人々、発掘の学生達、ゼネコン社員や文化庁の職員など、様々な人間達がだらだらと集まる飯場に、ユーモラスな会話が、いつ果てるともなく繰り広げられる。青年団史上、もっともくだらない人情喜劇。
火野葦平の戦前のベストセラー小説『麦と兵隊』をモチーフに、砂漠の中で行軍を続ける人々を描く不条理劇。2005年の初演以来、待望の再演。この行軍は、どこまで続くのか…そして彼らは、どこに行こうとしているのか…。
生活困窮者やドメスティック・バイオレンスの被害者などの一時避難を扱う駆け込み寺型NPOのオフィス。NPO幹部職員の不祥事を抱えて、全員の善意が空回りし、喜悲劇が繰り返される。ボランティア団体の日常を精緻に描きながら、現代社会の実情に鋭く切り込み、一方で「人を助ける」とはどういうことかという普遍的命題に正面から取り組む問題作。構想10年、平田オリザ待望の新作書き下ろし。
(フライヤーより)ユニークな演劇理論と演劇様式で大きな注目を浴びている青年団。舞台に繰り広げられるのは、一見とりとめのない日常のお喋り。が、いつの間にか緻密でユーモラスな”劇的”世界の迷宮に引きずり込まれます。「新しい言文一致」に基づく「新しい現代口語ドラマ」を提唱する同劇団、『暗愚小傳』ではこの方法のもと、高村光太郎、智恵子の1910年代から40年代まで四つの時代の日常シーンを描きながら、詩人が