貧しい農村に身を置いた宮沢賢治は、儘ならぬ現実と崇高な理想、そのあわいで悪戦苦闘しながら、まっすぐに理想に向かおうとした。
早世した彼の生涯を、父・政次郎は「天馬」に例えた。また、妹のトシも大変な才女でありながら、若くしてこの世を去っている。
宝石のような二人に先立たれた親を想いながら、
東北の俳優たちと『銀河鉄道の夜』を、
賢治が愛した演劇を用いて、
“劇”を、する。
滅多に星空を見上げなくなった、わたしたちで――
農業に適した肥沃な土壌、黒土の総称。2013年、小濱昭博が立ち上げた表現者団体。
トップダウン式のクリエーションの形をとらず、クリエーションに参加するメンバーがそれぞれの立場から「そこでしか体験できない」舞台現象を眼差し、作品を創作していく。