舞台は、第二次世界大戦が終わって間もない日本。戦時中に掘られた横穴の中で、3人の男女が出会い、生き埋めになる。生死の極限状態で、彼らの思想と挫折、そして後悔が語られる。彼らはどう生きたかったのか、そしてどう生きられなかったのか。本公演ではこの戯曲を、ワンルームマンションの一室を穴と見立て、彼らの苦しみを現代の閉塞感と生き苦しさに重ね、女性の一人芝居として上演した。
2014年結成。伊藤全記(演出)および山口真由(俳優/劇評・研究)によるユニット。オリジナル戯曲ではなく、既存の戯曲・文学作品を再解釈・再構成することで、批評的に現代への問いを投げかける。2021年、兵庫県豊岡市で開催された演劇人コンクールにて、『胎内』(作・三好十郎)を一人芝居として上演し、伊藤が優秀演出家賞、山口が優秀演劇人賞をW受賞。