早稲田大学演劇研究会の中の学生劇団として旗揚げた翌年、1985年の作品。本拠地である大隈講堂裏に工事現場用の足場と鉄パイプで作ったテント劇場での上演であった。いわゆる80年代の小劇場演劇ブームの中、俳優のパワーみなぎる身体と言葉で劇団の作風を確立した作品。時代の表層の明るさや疾走感を写しながらもその陰で失われていくもののさみしさまで見据えた劇団初期の名作である。
1984年、早稲田大学演劇研究会を母体に「劇団 山の手事情社」を結成。以来、一貫して実験的な舞台を通して現代演劇のあるべき姿を模索している。1997年からは、戯曲を用いつつリアリズムをどう乗り越えるかという課題に取り組み、《四畳半》と呼ばれる新たな様式的演技スタイルを確立し、ギリシア悲劇やシェイクスピア、近松門左衛門など古今東西のテキストを上演。代表作は『タイタス・アンドロニカス』『道成寺』『テンペスト』など。
『池上show劇場【DELUXE】』Cプログラム
コロナ禍の創作活動の中から生まれた「一人芝居」のラインナップ。劇団アトリエを劇場にしつらえて行なった本公演『池上show劇場 』【DELUXE】と【PREMIUM】。一人芝居16本のうち、Cプログラムでは3作品を上演。原作と身体一つで格闘する俳優たちのバリエーションが見どころ。上演作品は、『耳なし芳一』(原作:小泉八雲)、『杜子春』(原作:芥川龍之介)、『如菩薩団』(原作:筒井康隆)。
❝革命不成立の時代❞におくる、ちょっと皮肉めいた時代のおとぎ話【P4】合同公演のために書き下ろされたテキスト。※【P4】とは加納幸和(花組芝居)、平田オリザ(青年団)、宮城聡(ク・ナウカ)、安田雅弘(山の手事情社)の四人の演出家からなる集団。
『池上show劇場【DELUXE】』Aプログラム
山の手事情社の作劇方法《山の手メソッド》を用いて俳優たちが作った数々のシーンから、厳選したものを寄席形式にまとめました。具体的には、ちょっとシュールな寸劇《ショート・ストーリーズ》、自分自身に降りかかった出来事を感情豊かに語り合う《漫才》、身近にいる印象的な人やモノをヒントにキャラクター化した《ものまね》。それらを飽きないように構成し、老若男女に楽しんでいただけるように仕上げました。
室町時代、お家騒動にまきこまれる絵師の狩野元信と、彼を慕う遊女のみや。元信と結ばれず、死んだみやは、香を焚きしめた元信の部屋に、幽霊として戻ってくる。二人の恋愛を軸に、芸術と政治の相克が浮かびあがる。現在は歌舞伎や文楽でさえ行なわれていない、近松門左衛門原作の全編を一挙上演。
