【 あらすじ 】ある日、ひきこもりの息子に戦場への迎えが来る。母親は、息子の代わりに自分が出征すると言い出した……。日常と地続きの戦争を母と子の関係を軸に描く、うさぎ庵流のやわらかな不条理劇 。花組芝居の桂 憲一 、大井靖彦がジェンダーも年齢も超えて、母と息子を瞬時に演じ分ける。二人に関わる様々な他者を演じるのも、花組芝居の植本純米。
あらすじ 銀座で拾った女性客に言われるがままに、青森県の下北半島までタクシーを走らせる運転手。危篤なのは女性客の父か、自分か、迷宮に迷うように人生を振り返りながら走り続けるが……。うさぎ庵工藤千夏の代表作ともいえる不条理劇。
あらすじ いつか王子さまが……。銀行員の女のもとに中東の国の王子の花嫁を探しているという男が現れた。はたして、彼が話す国や王子は実在するのか……詐欺事件は、うさぎ庵流の迷宮へ。渡辺源四郎商店の俳優、工藤由佳子、工藤静香のために、うさぎ庵工藤千夏が作・演出。渡辺源四郎商店工藤支店というユニット名で発表された。
その日、男はその地に向かっていた。あらゆる公共の交通機関が止まった。しかし、男はその地に行かなければならなかった・・・。
己の正義のために、悪にはさらなる悪をもって、自由を追い求める兄・・・己の生を呪い、自らの欲望に忠実に、他人を徹底的に欺き利用する弟・・・この2人の兄弟の行き着く先には、どのような世界が広がっているのであろうか・・・?ドイツ疾風怒涛期を代表する傑作古典を通して、混迷する現代にひとすじの光を照射する!
カナダのある町の法廷、被告席にいるのは若いネイティブ・インディアンのリタ・ジョー。判事の尋問の間、リタの回想は限りなく膨らむ。あるときは故郷の部落での懐かしい日々、、あるときは町に出てきてからの辛くみじめな暮らしだったりーーいつしかリタの罪名は次々と増えて行く・・・。けれどどんなに判事に諭されてもリタには罪の意識が確かなモノとして存在しない。文明社会の価値観が、自然のままに生きてきたネイティブたち
「自己紹介をさせてください。かまいませんか?」「はあ」「ありがとうございます。私は・・・」というようなことは、時々あることです。しかし、めったにない、という人も多いです。毎日既知の人とだけ会ってその日が終わる場合も多いから。私がそうです。なので、時にはあり得るこの自己紹介は、やはり新しい世界であり、非日常であり、とてつもない冒険でもあります。というわけで、とにかく自己紹介ばかりをする話を書いてみた
「ちょっと相談したいことがある」と言われて、あなたはうれしいですか?わたしはあまりうれしくありません。たとえその相談者に特別な好意を持っていたとしてもです。いや、うれしくないどころかむしろイヤです。なぜなら、およそ相談には明るい未来は待っていないから。暗い、深い、なんの音もない穴隙がそこにあるだけだから。 なので、わたしは死ぬまで相談を受けたくない派です。
劇中講談「大石理玖物語」(旭堂南陵 作)
良妻賢母として名高かった大石内蔵助の妻・りく。彼女の本当の想いはどこにあったのか・・・。上方講談界の重鎮 旭堂南陵の筆による講談台本を元に工藤千夏が新たな解釈を加え一人芝居を書き下ろした。講談師・旭堂南明としても活躍する俳優・天明留理子の「講談に彩られたひとり芝居」。本作は前年2018年夏に近畿最古の芝居小屋、出石永楽館にて行われた「大石りく物語」をバージョンアップして新たな作品として上演された。
平成14年度文化庁新進芸術家海外研修制度の研修員として、シンガポールの演劇学校「TTRP」でアジアの総合演劇を学んだ成田独歩の演出公演。シンガポールを代表する劇作家フジール・スライマンの作品の日本初演。医療・バイオテクノロジー分野で最先端をゆくシンガポールの近未来を舞台に、自分とは?生きるとは?愛とは? 人間が生きていく上での重要なテーマを観客に問いかける。裕福な未亡人、キャサリン・リー・ある日、
1908年(明治41年)、日本鉄道がスコットランドに発注した比羅夫丸と田村丸が青函航路に就航。日本に初めて導入される最新鋭のタービン船である。日露戦争に勝った日本は世界の一等国の仲間入り。近代化はどんどん進んでゆく。比羅夫丸と田村丸は日本の物流を支える主役として脚光を浴び続けるが、その栄光は長く続かない。本作は運輸史、船舶史の観点で捉え直す明治、大正、昭和である。
東京都内にあるカトリック系私立女子中学校の会議室。そこに、集まる数人の男女。いじめ自殺死した子供の遺書に書かれていた、いじめ加害者の親たちである。それぞれ、年齢も、生活環境も、職業も違う親たちは、身勝手な事情から我が子を庇護する事に終始する。怒号飛び交う会議室。子供達のいじめを通して、それぞれの親たちの「顔」が浮き彫りになる。
【あらすじ】近未来。ある北の町が高レベル核廃棄物の最終処分場となった。無害になるまで10万年。核のゴミを誰が見届けるのか?そして誕生する原子力ロボット「むつ」。むつは人類を救えるのか?【解説】第52回岸田戯曲賞にノミネートされた渡辺源四郎商店版と第60回全国高等学校演劇大会優秀賞の青森中央高校版をベースに改変された。日本最大の演劇祭フェスティバル/トーキョー14の招聘公演。渡辺源四郎商店+客演+青
畑澤聖悟が死刑員制度という架空の制度を土台に作・演出した『どんとゆけ』『あしたはどっちだ』に登場する青木しのの前日譚として、工藤千夏が作・演出を担当した作品。元・医師が死刑囚という設定の物語は、死刑、安楽死・尊厳死について深く考えさせる。
『どんとゆけ』『どんとゆけ』の設定は、死刑執行に被害者遺族が関与できるという、架空の「死刑員制度」が施行されている世界。青森県津軽地方のある家に一人の死刑囚が連行されてくる。この家には獄中結婚により妻となった女性が暮らしており、これからここで死刑が執行される。死刑執行のために現れた被害者家族と、死刑囚の妻であることに酔いしれているような女と死刑囚らの、執行までの濃密な時間のドラマ。初演は2008年