鄭義信が、黒テント以来の長い付き合いである金久美子のために書き下ろした作品。とある寂れた町の洋装店を切り盛りしているうちに婚期を逃した千夜子に金久美子。千夜子の母には、鄭脚本の映画『月はどっちに出ている』でえげつなくも愛すべき母親像を演じきった絵沢萌子、千夜子の愛人の浅田を若松武史、弟の志朗を花組芝居の各務立基が務める。登場人物それぞれの思いが、大晦日の夜の爆発し、ぶつかり合う。家族の愛憎、機微が
何度にいる三人姉妹を訪ねた福子はここにあるものは全部自分のものだと言い出す。危機感を感じた3人は自分のものだという証拠を探そうとする。長女が新任教師だった頃の教材「ジャンヌ・ダルク」の物語をきっかけに、それぞれの日常に燻っている思いを仮託するように、ジャンヌの世界が繰り広げられる。
ある日忽然と、アパートから姿を消した哲子。母親、友人、刑事、大家の哲子探しが始まる。ぬか床から抜けてしまった一本の釘のせいで、目眩くミステリーゾーンが六畳間を包み、シンデレラの世界に呑み込まれていく。第30回岸田戯曲賞の候補作となる。
夏休みが終わり二学期が始まる日。一人の生徒が宿題を森になくしたと言う。友達と幻と言われる蝉を探しに行ったのだ。その森で出会ったのは…大人になった自分の奥深くに、今も住んでいる少女時代の夏の思い出を巡る物語。「いつかみた夏の思い出」(1986年)、「さらば夏の思い出」(1990年)といった改訂版による再演もある、同劇団の代表作。
泉の辺りで休む旅芸人、二人。名前はおかめとひょっとこ。どうやら道に迷ったようだ。ひょっとこは知恵おくれのおかめに愛想をつかして別れたがっている。おかめはどこまでもついていくと言う。 旅に疲れたひょっとこは人形を取り出し、物語をはじめる。 アジアのどこか。日本のどこか。南の島。泉の辺りでクリーニング屋を営む三姉妹とその弟の物語。
スコットランドの王位簒奪を目論むマクベスは、マクベス夫人と共にあらゆる裏切りや陰謀を企て国王ダンカンを暗殺し、王位に就くも、その猜疑心と暴政により自らの身の破滅を招くのだった。結城座では1982年の初演以来幾度も再演され、代表的なレパートリーの一つとなった作品。1986年のベオグラード国際演劇祭では特別賞を受賞 するなど、「結城座のみが演じ得るマクベス」として、海外でも高い評価を受けた。
スコットランドの王位簒奪を目論むマクベスは、マクベス夫人と共にあらゆる裏切りや陰謀を企て国王ダンカンを暗殺し、王位に就くも、その猜疑心と暴政により自らの身の破滅を招くのだった。結城座では1982年の初演以来幾度も再演され、代表的なレパートリーの一つとなった作品。1986年のベオグラード国際演劇祭では特別賞を受賞 するなど、「結城座のみが演じ得るマクベス」として、海外でも高い評価を受けた。
舞踏の古代史の中には「鬼」「まれびと」「龍蛇」などが出たり入ったりしているように思う。現代人の身体の奥にも彼らは棲んでいるのだろうか。身体とは不思議で変な入れ物だ。記憶という川を遡り、瀧壺の底で光る一枚のウロコを手に入れる。それを合図に水龍と火龍の戦いが始まる。そんな修羅場こそ舞踏奴の独壇場である。男伊達、そこのけそこのけ奴が通る。恋に翻弄された鳴神上人も瀧を登って龍となる。新しい祭のはじまりだ。
クリスマスの前夜、私、クララのもらった素敵な夢の贈り物は?目眩く機械仕掛の悪夢の一夜!何故なの?
三蔵法師一行が印度に経を求め、道中で様々な妖怪と戦いながら旅する物語。『西遊真詮』から幾つかのエピソードが選ばれ、演出スタッフと俳優たちによるワークショップを経て舞台化された。当時、68/71黒色テントは新たなテーマとして「物語る演劇」と「アジア演劇」を立て、創作方法を模索していた。本作はその第一弾にあたる。80年、フィリピン教育演劇協会(PETA)主催の「インターナショナルワークショップ」でも上