スコットランドの王位簒奪を目論むマクベスは、マクベス夫人と共にあらゆる裏切りや陰謀を企て国王ダンカンを暗殺し、王位に就くも、その猜疑心と暴政により自らの身の破滅を招くのだった。結城座では1982年の初演以来幾度も再演され、代表的なレパートリーの一つとなった作品。1986年のベオグラード国際演劇祭では特別賞を受賞 するなど、「結城座のみが演じ得るマクベス」として、海外でも高い評価を受けた。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
結城座は江戸時代の寛永12年(1635年)に初代結城孫三郎が旗揚げいたしました。それから380年を超える長い年月を経て、現在 『国記録選択無形民俗文化財』『東京都の無形文化財』に指定されている、日本唯一の伝統的な「江戸糸あやつり人形」の劇団です。
貧しい家の娘、お菊は弟の文弥が幼い頃、石の上に誤って落としてしまい失明させてしまう。その償いにお菊は吉原へ身売りして、作った百両の大金を文弥にもたせ、京へ上らせて座頭の官位を取らせようとする。途中の鞠子宿で仁三は文弥の大金を狙うが、十兵衛に取り押さえられる。文弥と十兵衛が宇都谷峠まで来たところで、十兵衛は初めて大金のことを知り、自分の主人のために借金を申し入れするが断られてしまうのだった。
五歳の時に母親と生き別れ、父親を失い天涯孤独の身でやくざ者となった番場の忠太郎。江戸まで来て、柳橋の料亭で女将をしている女性が自分の母親・おはまだと知る。しかし突然現れた忠太郎におはまは、どうせ金目当てのヤクザな渡世人としか取り合わず、息子は死んだと必死にすがりつく忠太郎を無常に突き放した。忠太郎は落胆して去る。目を閉じれば優しい母親の姿が瞼に浮かぶ…。
あるとき、ある場所で、源氏物語最後の女性「浮舟」は、語り始める。 そして、それぞれの思いを千年の世に馳せ、口を開いてゆく人形たち。 源氏の君のこと、恋のこと…。 全五十四帖の物語も、彼女たちから見れば、ただ一つの物語-。 世界最古の小説「源氏物語」を佐藤信が演出。人形美術・山口小夜子、共演・鞠谷友子など、 魅力的なコラボレーションでお届けします。
「きりしとほろ上人伝」は芥川龍之介の童話を武智鉄二の演出により浪曲人形劇にしたもので、狂言の茂山七五三が演じた「レプロボス」という身丈三丈もある無心の大男が世の中で一番偉い人に仕えようとしてたどる人生修行のお話。芥川の文学作品に浪花節の節付けをし、糸あやつり人形に人間をからませた浪曲劇は当時まったく新しいものであり、「新しい叙事詩劇の発生に道をひらいた」と評された。