「私がアデコの人生をサポートしますよ。出来る範囲で」春の日曜日の午後。桜は散った。彼女たちは交通事故で入院中の同僚のお見舞い帰りにカフェでお茶をしている。今日は寿退社した別の同僚の結婚式の余興の打ち合わせをしなければいけないのだけど気分じゃない。入院中の彼女の治療痕があまりにもショッキングだったから。「目に見える身体の一部欠損」を負った彼女をどのようにサポートしていくか。それぞれの生活・事情・思い
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ウィリアム・シェイクスピア『ロミオとジュリエット』を原作として、人工知能(AI)による文章生成ツール「GPT-2」が書き起こしたリブレットを元に、足立智美が作曲、あごうさとしが演出したオペラ作品。近代英語のひとつの基準を作っているともいえるシェークスピアのテキストを人工知能によって書き直すことによって、物語の新しい形式を提示する。文化庁芸術祭大賞・サントリー芸術財団佐治敬三賞 受賞作品。
「認知症」から発想した岩崎正裕の作・演出作品。舞台にはピアノがひとつ、弾けなくなった演奏家が迷い込む世界をそのままに描いていく。記憶とはなにか、失くしてしまうことは悲惨なのか、迷宮をめぐる物語。 ピアノの生演奏でクラシックの名曲を多数ちりばめた構成で、劇団の新たな側面を打ち出したと高い評価を得た。
幽霊達の駅・京都駅地下鉄清水線。その十二番出口にあるコインロッカーのことを、兄弟は『母』と呼んでいる。二人は十八年前、このロッカーに捨てられていた赤ん坊だった。閉鎖していく幽霊の駅を舞台に、生きる者と死んだ者の「駄々」を描く群像劇。
パンチドランカーとなり引退したボクサー・無口は、寝たきりの 人々の家を巡る「殴られ屋」を生業にしていた。ある日寝たきりの女・わたげに殴られたことをきっかけに、無口は痛みを感じなくなってしまう。同じ街のコールセンターでは通販サイトのクレーム処理部門で働く青年・寝々が、山から降りてきた熊を銃で 仕留めることを夢見ていた。バラバラだった彼らの物語は「動物園の熊を安楽死させる」という情報が流れたことで、急
太郎「ピリッとしたもんが食べたいな」次郎「カレーなんてどうでしょう」太郎「なんやそれ」時代は1905年夏。場所は大阪近郊、吹田村にある庄屋屋敷「浜家」の玄関。浜家の家族や奉公人を中心に、屋敷に出入りする村人や、各地を回る薬屋などの姿を活写する。その背景には日露戦争を機に国民国家へ変貌する日本の姿があった――
戦後しばらくたった1955年、伊丹である男女が出会い、家族が始まる。万博の熱気、バブルの高揚、震災の喪失、検査と対策の時代を経て現代まで――伊丹で豆腐屋を営むある家族の歴史を、いくつもの時代と街の風景を通して描いた舞台。ごまのはえの脚本と小原延之の演出が初タッグを組み、2025年度で閉館を迎える伊丹アイホールと人々の物語を語り直した。
舞鶴に生まれ育った姉妹「みちよ」と「すみ」。二人の従姉妹で同じ家に住む「あきえ」。三人の女性の恋模様を、戦前の記憶、戦中の傷、戦後の生活とともに描きます。昭和を駆けぬけ、常によりそって生きてきた女性達の人生の記録。2018年~2020年に京都府舞鶴市で実施した「まいづる物語プロジェクト」。その集大成として執筆されるも、コロナ禍により上演できなかった戯曲『よりそう人』を、劇団で初上演した作品。
『私』はどこまでが『私』なのだろう。抜けた髪の毛は『私』ではないのだろうか。種は、いつその親樹の一部ではなくなるのだろう。つぎ木をされた樹木は自分を一本の樹だと思って空を目指して伸びていくんだろうか。まっすぐに空を目指す樹。おそらく自分の都合だけでどこまでも伸びていく。だけども彼の都合で出来た木陰は、私を優しく守る。そんなことを考えるうちに私は深いネムリに落ちていた。【私はあなたのすべても、どの一
三日月川に子供が落ちるという事件が頻繁に起こる。その奇妙な事件を取材に都会から記者がやってきた。行き先が分からぬままに乗った船で三日月川を下っていく。川の流れは「時」の流れ。男は不思議な時間を行き来する。流れ流され 辿り着く先は何処なのか。人間どうしが惹かれあう力と全ての物体が引き合う力「万有引力」=「Gravity」を重ね、全曲Micro To Macroオリジナル曲で繋ぐ46億年の奇蹟の物語。
