長野県のとある村にある公民館。近隣との合併により村が二つに分かれるという問題を抱えながらも、毎年恒例のお祭りの準備をする若妻会の女たち。御神輿の飾りを作ったり、男性が舞を舞うための男性器を模した木の棒に赤い絵具を塗り直しながら、女たちの戦いは静かに始まる。認知症の親を抱えた妻、シングルマザーとして子を生む女、その子の父親が自分の夫ではないかと疑う妻、彼女たちは激しい言葉を用いて相手を攻撃する。村が分かれるという大きな問題で男たちが戦う中、女たちの戦争は日常にあった。
初演は2002年、青年団若手自主企画の公演として高い評価を得た。2004年の再演では、東京、松本、弘前にて上演し、前作を超える完成度は各地で髙山植物園の認知度をあげた。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
髙山植物園は青年団演出部に所属する髙山さなえが主宰し、作・演出を手掛ける団体である。
美しくも醜いむき出しになる女性の姿とその光と影を丁寧に滑稽に描く。その滑稽さは時に落語のようだとも評され、愚かな女性を取り巻くより愚かな男性の姿と共に、様々な角度から粘り強く綴る筆力に定評がある。
2001年から9作品の公演を行い、2018年3月には髙山さなえが戯曲『馬留徳三郎の一日』で第7回近松門左衛門賞を受賞。受賞作は平田オリザの演出により、青年団プロデュース公演として東京、兵庫、長野にて上演された。
教会の待合室。大きな窓ガラスがあり、葬儀の様子がよく見える場所。そこに集まった4人の女たちは、それぞれが亡くなった男の彼女だった。粛々と葬儀は執り行われていくが、待合室での女たちはそれとは関係なくそれぞれの世界を独走しはじめる。一人一人が違った悲しみをまとい耐えながら、それでも男が死んだ現実を咀嚼するように受け入れようとしている。しかし、受け止めきれない女もいる。死んでもなお依存し続けることで生き
婚期をのがした三姉妹が「もうこうなったら身内しかいない」と親戚の男たちを自分たちの家に招く。長女に「若い女子との合コンがある」と誘われてやってきた男たちは、それが呼び出す口実で三姉妹しかいないことを知る。男たちが意気消沈する中、三姉妹も男たちも一緒に酒を飲み盛り上がる。そしてしばらくすると、男たちは眠ってしまう。実は、長女がその酒に睡眠薬を入れていたのだ。三姉妹も意識がもうろうとする中、「一緒に眠