ニッポン全国、今夜もパソコン通信であちこちに会話の花が咲く。ハンドル名「ヤリタイ」「シタイ」「小夜子」「天涯孤独」の4人もそんな仲間だ。ところが初めて直接に顔を合わせる「オフ会」が近いというのに、シタイからの連絡が途絶えてしまう。そしてある日、仲間全員にシタイから謎のEメールが。指示に従ってヤリタイが手に入れたのは、白い粉の入った謎の小瓶……。それは小夜子にも天涯孤独にも届けられていた。シタイは何の目的で白い粉を送ってきたのか? シタイは今どこにいるのか? そもそも、白い粉は何なのか? オンラインとオフライン。イメージと現実。生と死。ONの世界とOFFの世界は多様な意味を孕んで交錯しつつ、チャッターたちの「シタイ」捜しが始まる……。
死後の決定権は誰にあるのか? 人の気持ちを汲み取るとはどういうことか? 今最も新しいテーマのひとつと言うべき「葬送の自由」に踏み込み、新たなコミュニケーションの在り方を示した清新な物語。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
1986年7月の旗揚げ公演以来、2008年7月の解散公演(第60回公演)までの21年、古城十忍の作・演出による作品を上演。2009年よりワンツーワークスとして活動を再開する。
舞台は、ある地方都市。市の中心を流れる大きな「三宮川」が次第に水かさを増している。市の防災対策課では避難勧告の決断が下せない。やがて支流が氾濫、やがて一気に水かさを増した三宮川が決壊し、市役所へとあっという間に押し寄せてくる……。「災害対策の危うさ」をベースに描きながら、「非常事態が迫っていることを人はなぜ実感できないのか」「その想像力の欠如の原因となっているものは何か」。自然災害を目の前にしなが
人の死を看取る日々を送る看護師の「楠美」はある日、自身が肺癌の末期であることを知る。直ちに入院を強いられるが、そう長くない余命であることを悟った楠美は家に帰ることを願う。その思いを汲んで楠美の母は「末期患者の在宅医療」を専門とする医師「渡良瀬」に娘の治療を託すのだが、渡良瀬は「医療に笑いを」を信条に、コスプレ姿で往診に来たりする「変わり者」だった。楠美の家族戸惑うが、やがて患者を第一に思う渡良瀬の
若き編集者・福島は運命の夜を迎えていた。今夜中に原稿を取ってこなければ、クビになるのは間違いない。彼が原稿を取りに向かうのは3人の作家。その名も、宮澤賢治、太宰治、中原中也。果たして作家たちの新作は無事に書き上がるのか。そもそも福島は、なぜ作家たちに会っているのか。抜きさしならない長い一夜の夜明けが近づいてくる。
1億円という大金を拾って落とし主が現れず、一気に大金持ちになった男の物語。大金を得た男は万々歳。これからは大船に乗ったような気分で前向きに生きていける。そう思ったのだが予期しなかった良からぬことが次々に起こり、あっという間に憂鬱な日々に逆戻り。酒をあおっては愚痴をこぼす日々の中、ふと男は気づく。「あれ?デジャヴ? この会話、以前しなかったか?」。そうして次々に積み重なっていくデジャヴの毎日を送るよ