お寺の池に棲む蛙たちにとって、百舌や蛇や鳶たちは、生活や生命をおびやかす憎い敵であった。何故こういう目に会いつづけるのか―。それをにがにがしく思う若者がいた。ブンナだ。広い空への憧れから椎の木に登るブンナ。彼はそれまで自分の敵であった百舌やねずみや蛇たちが、無残にも鳶の食糧となり、死んでゆく姿をみる。一つの死が一つの生へとつながっていくという生きていることの実態、その意味を知ったブンナがもたらしたものは……。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
劇団俳優座に在籍していた10名の若手俳優たちが日本の現実を反映させた創作劇の上演を強く願い、1954年劇団青年座を創立しました。現在劇団員と研究生をあわせ約200名が所属。創作劇の他、海外現代戯曲、過去の秀作等、幅広いレパートリーを有しますが、創立からの基本理念は変わることはありません。今後も日本の創作劇上演を柱にした公演活動を続けることによって、日本演劇の民主的発展に寄与し、舞台芸術を通して日本文化の向上をはかることを目的として活動します。
1911年、日本初の女性文芸誌「青鞜」が創刊。これに刺激を受けた伊藤野枝は、平塚らいてうを慕って九州から上京してくる。青鞜社で働くことになった野枝は、女学校時代の教師・辻潤と結婚、子供をもうけるが、しだいに無政府主義者・大杉栄に惹かれていくのだった――。近代国家への道を歩き始めた日本で、女性の解放を求めた新しい女たちと社会変革を目指す男たちが実名で登場し、男と女の関係から様々な女性の生き方を描き出
800年もの昔、空を真黒に染めてシベリアからやってきたつぐみの群れが、日本の津々浦々を飛翔した。その一羽がお寺の池のほとりに落とした椎の木の種は、やがて巨大な椎の木に成長し、今年も繰り返される命の死闘を見つめている。トノサマ蛙のブンナは、新しい世界を求めて椎の木のてっぺんに登る。しかしそこは壮絶な“生きるための戦い”を繰り広げる修羅場で会った。蛙の天敵の彼らもまた、弱肉強食の自然界で懸命に生きてい
日本の現代演劇ポスターデジタル化プロジェクト2023
150点の現代演劇公演のポスターをアーカイブ。公演のキービジュアルがデジタル展開され難い、1960年代から80年代を中心に、紙で現存するポスターをデジタル化。ポスターのセレクションは、1960年代以降の舞台芸術系のポスターを収集・保存、これまでも研究や数々の展覧会に協力する等、演劇公演のポスターに造詣が深い、ポスターハリス・カンパニー社代表の笹目浩之氏が担当。
第二次世界大戦末期、ソ連はドイツから2万人を超える科学者とその家族を連れ去り、ナチスの進んだ技術を吸収して秘密裏にロケット開発を進めた。果たして1957年、ソ連は初の人工衛星の打ち上げに成功、米ソによる宇宙開発競争が幕を開けた。61年には有人宇宙飛行を成功させるなどソ連がアメリカをリードしていたが、62年のキューバ危機により状況が一変する。米ソの冷戦構造を背景に、宇宙開発にかける科学者たちの夢と挫
