長野県飯山小学校の教師瀬川丑松は誰にも言えない秘密があった。出自のことだ。常々父から身分を隠すことを訓戒とされていた。親友の土屋銀之助や生徒たちにも勿論黙っていた。しかし人権家猪子蓮太郎の著書に感化され、人生の葛藤を抱え深く悩むようになった。いっぽう丑松や銀之助のことが目障りだった校長は、新任の勝野文平を味方に引き入れ丑松たちを放りだす口実を探す。そんな時に丑松へ父親が亡くなった報せが届く。また敬愛する蓮太郎も襲撃され命を落とす。二人の死に丑松はついに覚悟を決めて……。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
劇団民藝は1950年4月3日に創立(前身は1947年発足の民衆芸術劇場=第一次民藝)。築地小劇場、新協劇団など「新劇」の本流を歩んできた滝沢修、清水将夫、宇野重吉、北林谷栄らによって「多くの人々の生きてゆく歓びと励ましになるような」民衆に根ざした演劇芸術をつくり出そうと旗あげされました。2000年からは大滝秀治、奈良岡朋子が代表をつとめ、現在は小杉勇二、樫山文枝、日色ともゑ、丹野郁弓を中心に、劇団ならではの層の厚さを生かしたアンサンブルによる密度の濃い舞台づくりをめざしています。
別役実×大滝秀治による新しい喜劇! 古典落語「らくだ」を材に、大滝のために新しく書き下ろされた別役の意欲作。真打の大ネタといわれる「らくだ」が初めて新劇の舞台に登場します。日常のなかの微妙なズレ。でそこはかとなく湧きあがる笑いのなかに、別役戯曲の詩的空間がひろがります。登場したときはすでに死人というらくだの馬さん。やくざな兄貴分に、何の因果かくず屋が脅されて……。大滝主演の捧腹絶倒の舞台。
ナチのユダヤ人狩りがアメリカに住むユダヤ人夫妻に与えた恐るべき苦悩。ローレンス・オリビエ賞受賞のA.ミラー78歳の最新作(1994年)を上演。
自身の体験から老親介護の実態を描き大反響を呼んだ佐江衆一の長編小説「黄落」を劇化し、高齢化社会の問題に正面からとりくむ上演。北林谷栄が脚色・主演し、本作の脚色によって紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞した。
宇野重吉演出、北林谷栄主演で日本中を感動のるつぼに巻き込んだ名舞台。1963年初演から2003年まで462回の上演を重ねました。瀬戸内海の劇詩人といわれる小山祐士が、原爆の惨禍を庶民の目から見つめた人間味あふれるさわやかな叙情詩劇です。瀬戸内海の小さな島。ハナ婆さんは泰山木の木の下で質素に暮らしていました。早春のある日、木下刑事がハナ婆さんを訪ねてきます。堕胎の罪で逮捕しにやってきたと言うのです…
