私たちは、家族だった。
結婚式場の控え室。新婦の女はウェディングドレスに身を包み、煙草に火をつける。彼女の視線の先には、初老の男たち二人。夫婦のようにも見える彼らのやり取りを“娘”である女は慣れた様子で眺めていた。“父”の一人である男の走馬灯として語られる、奇妙な家族のありふれた物語。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
2010年結成。大池容子の作品を上演する。「どうせ死ぬのに」をテーマに、演劇の嘘を使って死と日常を地続きに描く。2013年9月、芸劇eyes番外編・第2弾「God save the Queen」に参加し、地下鉄サリン事件を遠景に交差する人々の思いを描いた『メトロ』を上演。2019年3月、『バージン・ブルース』で平成30年度 希望の大地の戯曲賞「北海道戯曲賞」大賞を受賞。
山道を走る、ピンク色の車。その車には若い夫婦が乗っていた。ワガママな妻と“いないもの”とされている夫。彼らはヒッチハイクをしていた一人の女を興味本位で車に乗せる。そして意気投合した女と妻は、あたらしい生活を始めるための旅に出るが、二人の旅先には“いないはず”の夫がいた。
小学生の頃、いじめられていた女が見違えるように綺麗になって同窓会の二次会に現れた。しかし、そこには見知らぬ女がおり、自分もクラスメイトだと言って同窓会に参加する。そして彼女は誰も触れたがらない、それぞれの過去について話し始めた。