嘉永(1853)六年師走のある晩、我が身の先行きを悲観して両国橋から身を投げようとした狂言作者の二世河竹新七。ところが奇妙な行き掛かりで、無我夢中の新七が飛び込んだのは大川ではなく、川端にたつ一軒の小さなそば屋だった。柳橋裏河岸の「仁八そば」で出会った何とも風変わりな「仲間」たちが、次から次へと巻き起こす上を下への大騒動は、天下の御一新をはさんで、明治なかばに至るまでのじつに28年間におよぶことになる。
座付作者井上ひさしが、「江戸演劇の大問屋」河竹黙阿彌を取り上げて書き下ろす、こまつ座の最新作。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
私たちは、人を泣かせたり、笑わせたりしている会社です。
座付作者井上ひさしに関係する作品のみを専門に制作、上演しています。
1983年1月に創立し、84年4月『頭痛肩こり樋口一葉』公演で旗揚げ。
以降、新作、再演、こまつ座旗揚げ以前の井上作品も織り交ぜて、出演者・スタッフとも作品ごとに依頼し、その作品だけの一座を組むプロデュースシステムをとり、年平均4~6作品(200~250ステージ)を上演し続けています。
こまつ座と座付作者みずからが、愛してやまぬ戯曲『人間合格』。文学史上不滅の小説家太宰治の生涯をいきいきと描いて、はじける笑いとあつい感動が劇場をつつみこむ。
大衆演劇女座長、五月洋子が見たのは現実なのか?それとも夢なのか?日本最高峰の一人芝居『化粧』こまつ座での上演決定!! さびれた芝居小屋の淋しい楽屋。その楽屋に遠くから客入れの演歌が流れ込んでくるやいなや、大衆演劇女座長、五月洋子は、座員一同に檄を飛ばし始める。開演前の化粧支度の最中も、口上や十八番の出し物、母もの芝居「伊三郎別れ旅」の稽古に余念がない。その慌ただしい楽屋に、洋子をたずねてくる人がい
1945年8月下旬。連鎖街に立つ「今西ホテル」の地下室では、二人の劇作家が絶体絶命の窮地に陥っていた。ソ連軍の命令で、なにが何でも芝居をつくらねばならぬホテルの支配人とボーイ長。「木を隠すなら森に。ウソを隠すには、もっと大きなウソを」大車輪で台本を書き上げ、総員で稽古にかかる。知恵のありったけを絞りだした「大ウソ」芝居のできばえは…、そして恋の行方は…
次世代に、そして全世界に語り継ぎたい明日への再生の物語「人類史の折り返し地点」 ―― 井上ひさし2020年紫綬褒章を受章した演出家・鵜山仁が捧げる、終戦から3年後のヒロシマを舞台に父と娘が織りなす命の会話