『放浪記』で一躍文壇の寵児に躍り出た女流作家・林芙美子。奔放に生きてきた人生を写すが如く、原稿用紙に向かっていた。世間の風は戦争へ突入すべく、日増しにきな臭さが強まりはじめていたそんな中で、芙美子は人生の切り売りだけで小説を書くことに行き詰まりを感じていた。そして、時流にあわないという理由で出版した本が発禁処分されてしまう。芙美子につきまとい、金儲けを企むプロデューサー三木孝は、"戦さはもうかると
原爆投下から3年後の広島を舞台に、父と娘の精緻な対話が織りあげる、ほのかな恋の物語。しかし核兵器の、人類の存在をも脅かすそのおぞましい力は、可憐な娘の心にも大きな傷跡を残していた。生きる喜びを失くしてしまった娘にふたたび希望の光を蘇らせるために、いま、父は全身全霊で娘に語りかける。
こまつ座と座付作者みずからが、愛してやまぬ戯曲『人間合格』。文学史上不滅の小説家太宰治の生涯をいきいきと描いて、はじける笑いとあつい感動が劇場をつつみこむ。
嘉永(1853)六年師走のある晩、我が身の先行きを悲観して両国橋から身を投げようとした狂言作者の二世河竹新七。ところが奇妙な行き掛かりで、無我夢中の新七が飛び込んだのは大川ではなく、川端にたつ一軒の小さなそば屋だった。柳橋裏河岸の「仁八そば」で出会った何とも風変わりな「仲間」たちが、次から次へと巻き起こす上を下への大騒動は、天下の御一新をはさんで、明治なかばに至るまでのじつに28年間におよぶことに
グラフィックデザイナー・舞台美術家・エッセイスト・小説家である、妹尾河童の少年期を描いた自伝的長編小説、1997年のベストセラー、『少年H』を舞台化。好奇心と正義感が人一倍旺盛な妹尾肇こと「少年H」と、ちょっと変わったその家族が巻き起こす愛と笑いと勇気の物語。太平洋戦争の開戦前夜から終戦後までの暗くなりがちな時代を、“H”を取り巻く個性あふれる人々が、ときには笑い、ときには涙しながら、明るく逞しく
近松門左衛門の浄瑠璃の抜粋の他に、ルイ・マル、フランソワーズ・トリュフォーのシナリオ、稽古場で即興を重ねて創作した場面などで構成された様々な「女と男」の物語。
(フライヤーより)フランスの小説家 アレクサンドル・デュマ・フィスの長編小説。マリ・デュプレシ(1824~1847)というパリの高級娼婦をモデルに、主人公の回想形式で書かれた哀切悲痛な恋物語。
チェーホフの『三人姉妹』をワークショップにより解体し、再構成した。時代設定は現代の日本とし、即興的な場面やメタシアター的要素も入れ込んでいる。
(フライヤーより)ネオクラシック・シアター By チェーホフMODEを観ると、新しいチェーホフに会える。ライトで都会的な等身大のチェーホフをどうぞ──。
気鋭の作家、柳美里の主宰する劇団「青春五月党」と、演出家・俳優である松本修の主宰する演劇創造カンパニー「MODE」による1992年の作品。崩壊した「家族」の蘇生の物語。
(フライヤーより)『魚の祭』は崩壊した「家族」の蘇生の物語である。この夏、あなたは「家族」に出会う……
劇作家・犬井邦益のテキスト「会社の人事」は、中桐雅夫の詩集「会社の人事」に触発された短編戯曲である。これをそのまま演ずるのではなく、稽古場における数々のエチュードを重ね、テキストを徹底的に解体した後に、再構成した作品である。ワーショップを用いて作品作りする演出家・松本修の初演出作品である。