「俺が代」は、日本国憲法や、文部省(当時)による教科書『あたらしい憲法のはなし』、そして尾崎行雄、芦田均などの演説をテキストとして用いながら、日本国憲法の本質を浮かび上がらせ、憲法やこの社会についての問いを共有するソロパフォーマンス。これまで愛知県芸術劇場、京都芸術センター、Festival Temps D' Images Cluj などにおいて上演されてきたかもめマシーンの代表作です。憲法という政治的なイシューを扱いながらも、「俺が代」が描くのは、護憲・改憲という特定の立場ではありません。本作は、「俺は、俺の名誉にかけて、全力をあげて崇高な理想と目的を達成することを誓う」と、憲法における「日本国民」を「俺」と読み替えることによって、二項対立的な議論を越えた、憲法に対する新たな視点を描きます。そうして、身体や演劇というメディアが社会に対して持つ可能性が見えてくるでしょう。
コロナ禍において、本多劇場において無観客公演として上演されたバージョンを収録。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
オンデマンド配信。
2029/1/31まで
2007年設立。気功や太極拳を応用した独自の身体性を構築しながら、個人の身体と公共との関わりに焦点を当てた作品を上演する。主な作品に、日本国憲法をテキストに使った「俺が代」、サミュエル・ベケットの「しあわせな日々」、原発事故直後、福島の路上で上演した「福島でゴドーを待ちながら」など。2017年ルーマニアの国際演劇祭Temps DʼImages Festival、2018年シアターコモンズに参加。