古代メソポタミアの英雄ギルガメシュ王と親友エンキドゥの壮大な冒険物語が、躍動感あふれる祝祭音楽劇に。
世界的人形劇師・沢則行氏とのタッグで、巨大な森の守り手フンババが駿府城公園に現れる!
フランス国立ケ・ブランリー美術館からの委嘱を受け、宮城聰がSPAC俳優陣と取り組む新作は、古代メソポタミアの冒険物語『ギルガメシュ叙事詩』。粘土板にくさび形文字で刻まれた古代文明の象徴にして現存する世界最古の文学作品で、[ノアの方舟]の原型が見出されたことでも世界を驚嘆させた。そこには紀元前2600年頃に実在したとされるメソポタミア南部の都市国家、ウルクの王ギルガメシュを主人公に、大自然に暮らす親友エンキドゥとの出会いと別れ、自然破壊、そして永遠の生命を求める旅が描かれる。宮城はこれが「口承文芸」であった点を重視し、俳優によるコーラスと生演奏で、叙事詩本来の音楽性を立体的に立ち上げる。さらに今回、チェコを拠点に世界的に活躍する人形劇師・沢則行氏と初めてタッグを組み、舞台全面を覆いつくす巨大な操り人形「フンババ」(レバノン杉を守護する怪物)が空間をダイナミックに変化させ、大小様々な操り人形は太古の空想世界へと誘う。そこで語られるのは自然と人間との関係、そして人間の奢り。4000年の時を超え、現代の私たちに響く壮大な物語がここに始まる。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
有料オンデマンド配信。事前に会員登録が必要です。
2029/2/22まで
専用の劇場や稽古場を拠点として、俳優、舞台技術・制作スタッフが活動を行う日本で初めての公立文化事業集団。舞台芸術作品の創造・上演とともに、優れた舞台芸術の紹介や舞台芸術家の育成を目的とする。2007年に宮城聰が2代目芸術総監督に就任以来、より多彩な舞台芸術作品の創造や国際演劇祭の開催とともに、教育機関としての公共劇場のあり方を重視し、中高生鑑賞事業公演や人材育成、アウトリーチ活動などを展開。
「源氏物語」末摘花・蓬生の巻よもとに描かれる女たちの夢と欲望。窮乏に耐えられず次々と屋敷を逃げ出す女官たちとそのなかでひたすら光源氏を待つ末摘花の姫。原田一樹演出による『しんしゃく源氏物語』は、待つ女として集約される末摘花のイメージを、彼女を取り巻く女達の複数の幻影のなかに解き放つことによって、他者=光源氏と豊かに出会うための〈女性性〉へと変換しようというものである。野外演劇という森のなかの空間を
テーバイの王クレオンと少女アンティゴネーの対立を「ナショナリズム」と「テロリズム」という図式に置き換え、国家の政治劇として描く。知的な分析力に優れた演出家のコンセプトが、SPACの俳優の身体と出会い、強度にシンプル化されたギリシア悲劇の世界を野外劇場「有度」に出現させる。
侵入者が通った後の廃墟の世界、記憶も、言葉も持たない子供たちのダンス。
芸術は、いったい誰のもの?芸術とは、劇場とは?宮城聰が初めて挑む、骨太の社会派作品!原作は、1936年に書かれたクラウス・マンの小説『メフィスト』。当時、ドイツ最高の俳優と謳われ、国立劇場の芸術監督でもあった実在の人物グリュントゲンスをモデルとし、発禁状態にまでなった小説は、80年代にはフランスの太陽劇団により舞台化され、ハンガリーのサボー監督による映画でも知られる。時代に翻弄される天才俳優の姿を
