とある美容室。雑談ばかりで一向に髪を切ろうとしない美容師と髪を切ってもらいたい客の押し問答や、ある高層マンションの地下室に住む血の繋がらない移民たちの他愛無い会話。そこから覗き始めるのは力や暴力に踏みにじられてきた人々の姿。その人々が生きようともがく姿。力によって傷ついた存在が、別の力を持って報復する愚かしさを描き、非戦だけでなく、過激化するSNS上の言葉の応酬に一石を投じることを試みた。ほろびてによる拒絶と否定を巡る思索劇。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
細川洋平が2009年に立ち上げ2010年より始動させた演劇カンパニー。「物語」の構造を疑いながら、演劇という枠組みの更新へ向けた思索を続けている。第11回せんがわ劇場演劇コンクールグランプリ、劇作家賞、俳優賞(客演)受賞。