8月15日、長崎平和公園の午後
人ひとり通らない砂利の道を
太陽がやいていた
40年前の夏
閃光、爆音、海鳴り、そして、あの雲
あのあと
美しい色と形の雲を見た者は生きのこった
そしてー
真夏の昼下がり
原爆を投下したパイロット
アメリカの英雄
その人が長崎に出現した
心を病む男…
彼はいったい何を求め
この地にやってきたのだろうか―
「ザ・パイロット」はことしの夏の物語である
この舞台で起きるすべての事件は
私達の耳目に鮮烈な感動を灼きつけるに違いない
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
劇団俳優座に在籍していた10名の若手俳優たちが日本の現実を反映させた創作劇の上演を強く願い、1954年劇団青年座を創立しました。現在劇団員と研究生をあわせ約200名が所属。創作劇の他、海外現代戯曲、過去の秀作等、幅広いレパートリーを有しますが、創立からの基本理念は変わることはありません。今後も日本の創作劇上演を柱にした公演活動を続けることによって、日本演劇の民主的発展に寄与し、舞台芸術を通して日本文化の向上をはかることを目的として活動します。
米軍占領下の沖縄で、度重なる人権侵害と弾圧にも屈せず、米軍に立ち向かった男がいた。沖縄が生んだ不屈の政治家・瀬長亀次郎。不当な裁判で刑務所へ送られながらも出獄後、那覇市長に当選。真の民主主義の確立を目指し、祖国復帰のために民衆と共に闘った。県民の心を捉え大きな希望を与えた瀬長亀次郎、その波瀾万丈の人生を津嘉山正種が沖縄人の魂を込めて語る。2019年タイムスホール(那覇市)にて初演。2020年青年座
英国の小さな田舎町で平穏な年金生活を送っていたジムとヒルダの老夫婦。ある日突然ラジオから戦争勃発を伝えるニュースが流れ、ジムは大慌てで政府発行の“戦争に生き残るための手引き”と首っぴきで室内用核シェルターを作り始める。ヒルダの方は戦争など他人事、ひたすら家事に夢中でどっちが勝つと思う?など呑気な話をしている。二人にとって戦争といえば第二次世界大戦の思い出だけで核戦争の実感は少しもないが、政府のいう
明治44年秋、岡崎の女子師範学校寄宿舎には、教師を夢見る少女たちが日本各地から集まっていた。誇りと若さにあふれる学舎では、下級生の憧れ、教師達も一目を置く文武両道の光島延ぶが仲間達と生活をしていた。一人の女性との出会いで未知への扉が開かれ、好奇心と夢が膨らんでいく日々であったが、ある日校長の手によって「質実剛健」の校風が「良妻賢母」にぬりかえられてしまった。少女たちの怒りは爆発し、「ストライキ」を
東京下町、戦前からの老舗甘味処「笹本」。女将・諒子はかつて広告代理店に勤めるキャリアウーマンだった。時代はバブル景気真っ只中、男と肩を並べバリバリ仕事をこなし恋も遊びも贅沢に楽しんだ。四十を目前にした頃、両親が相次いで亡くなり、ようやく立ち止まった諒子。気づけば恋の相手は皆結婚、バブルも終わりお祭り騒ぎの毎日は終わった。諒子は退職し、両親が残した店を継ぐ決意をした。それから十数年、この小さな町での