青年座・セレクションvol.2
青年座・セレクションvol.2
昭和二年生まれの流行作曲家の河津昭治には、昭和二〇年八月一五日を境に封じ込めた「過去」があった。教え子で婚約者の悠子は、積極的に安保改定阻止デモに参加するのだが、昭治はその行動についていけない。そんな時、かつての自分と同じように狂信的な右翼思想にとらわれている少年と出会う。昭和三五(一九六〇)年の大政治闘争の渦の中、昭治の思想の振り子は再び大きく揺れ始め、封じこめていたはずのあの「過去」を浮き彫りにする。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
劇団俳優座に在籍していた10名の若手俳優たちが日本の現実を反映させた創作劇の上演を強く願い、1954年劇団青年座を創立しました。現在劇団員と研究生をあわせ約200名が所属。創作劇の他、海外現代戯曲、過去の秀作等、幅広いレパートリーを有しますが、創立からの基本理念は変わることはありません。今後も日本の創作劇上演を柱にした公演活動を続けることによって、日本演劇の民主的発展に寄与し、舞台芸術を通して日本文化の向上をはかることを目的として活動します。
青年座・セレクションvol.3
明治三十年代の大ヒット小説、徳富蘆花作『不如帰』。劇団新派によって舞台化され、瞬く間に大盛況となった。まるで昼ドラのような愛憎劇は涙を流さずにはいられない。話題は話題を呼び、ついにモデルと言われる片岡中将一家の耳にも入ってきた。怖いもの見たさも手伝って、一家で観劇する事に。舞台と片岡家の現実が混ざり合い、奇妙に一致していく。日本全国の女性が涙した悲恋物語に隠された真実とは…。モデルとなった人々の想
米・北東部ニューイングランド地方、ゴールデンポイントと呼ばれる湖があった。朝夕照らし出される湖面はまさに《黄金》に輝き、湖畔の閑静な別荘は都会の喧騒から離れ一夏を過ごす人々のやすらぎの場であった。間もなく80歳のノーマンは厳格で頑固ものでユーモアと教養を持ち合わせていたが、老いと忍び寄る<その時>への影におびえ苛立っていた。妻エセルは対照的に変わらぬ快活さを見せているが最近の夫が気がかりだ。夫婦の
慶応二年冬、駿州清水仲町次郎長宅から祝言の歌が聞こえているが、現れた若い渡世人綾太郎は甲州黒駒一党の不穏な動きを告げる。次いで現れた新徴組取締役山岡鉄太郎が徳川の為に一肌ぬげと次郎長を口説くがはねつけられる。婚礼の夜は一転血しぶき散る修羅場となった。宿敵の出入は多数の死者を出して一旦おさまるが、次郎長の怒りはやがて伊勢荒神山の決闘へと発展する。喧嘩出入りに明け暮れる次郎長だが、時代は江戸から明治に
800年もの昔、空を真黒に染めてシベリアからやってきたつぐみの群れが、日本の津々浦々を飛翔した。その一羽がお寺の池のほとりに落とした椎の木の種は、やがて巨大な椎の木に成長し、今年も繰り返される命の死闘を見つめている。トノサマ蛙のブンナは、新しい世界を求めて椎の木のてっぺんに登る。しかしそこは壮絶な“生きるための戦い”を繰り広げる修羅場で会った。蛙の天敵の彼らもまた、弱肉強食の自然界で懸命に生きてい
