昭和九年十二月二十四日月曜日。東京本郷区曙町にある理学博士寺田冬彦邸。
主、冬彦がしかつめらしい顔で煙草をくわえている。別に、怒っているわけではない。普段のことである。
まわりには妻りんをはじめ、個性豊かな家族が太陽系宇宙のように取り囲む。
そこに突然彗星の如く事件が飛び込んできた!
小春日和に雲が差し、雨からやがてしんしんと降る雪に変わる。
招き猫が見守る中、寺田家の喜怒哀楽の一週間が過ぎてゆく。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
劇団俳優座に在籍していた10名の若手俳優たちが日本の現実を反映させた創作劇の上演を強く願い、1954年劇団青年座を創立しました。現在劇団員と研究生をあわせ約200名が所属。創作劇の他、海外現代戯曲、過去の秀作等、幅広いレパートリーを有しますが、創立からの基本理念は変わることはありません。今後も日本の創作劇上演を柱にした公演活動を続けることによって、日本演劇の民主的発展に寄与し、舞台芸術を通して日本文化の向上をはかることを目的として活動します。
同じ高校の演劇部員だった同級生のハルコとフミヨは、やがて女優と脚本家として違う道を歩き始めることになった。それぞれの道には、それぞれの出会いと別れがあり、ある時は離れ、ある時は近づき、そして交差しながら人生の時を刻んでいく。1970年から5年ごとに描かれた7つの短篇が、ネックレスの珠のようにつながって一篇の物語を編む。2013年初演。その後全国を巡演し、2022年までの公演数は195回を数える。※
第二次世界大戦末期、ソ連はドイツから2万人を超える科学者とその家族を連れ去り、ナチスの進んだ技術を吸収して秘密裏にロケット開発を進めた。果たして1957年、ソ連は初の人工衛星の打ち上げに成功、米ソによる宇宙開発競争が幕を開けた。61年には有人宇宙飛行を成功させるなどソ連がアメリカをリードしていたが、62年のキューバ危機により状況が一変する。米ソの冷戦構造を背景に、宇宙開発にかける科学者たちの夢と挫
劇団青年座創立四拾五周年記念公演No.3
笛の音の様に鋭くなまめかしい風が吹く大菩薩峠頂上。一休みする老巡礼を一刀のもとに切り捨てた机龍之助は、武州御岳山ふもと沢井村の「甲源一刀流沢井道場」の跡取りであった。折しも4年に一度の御岳山奉納試合に龍之介と立合うことになった宇津木文之丞の妻お浜は、夫に勝ちを譲るよう懇願するが、もとより応ずるはずもなく龍之助はお浜を犯す。この事実を知る文之丞。遺恨試合となった結果、故郷を追われる龍之助とお浜は江戸
東京郊外の築40年ほどの一軒家を改装して作られたシェアハウス。2階に大家の春山夫妻が住み、個室の5部屋には、シングルマザー、外国人就労者、引きこもり中年などの面々が住んでいる。妻の喜代子は、食事会を開いて住人たちの相談に乗るなど、まるで母親のような存在だった。その喜代子が怪我で入院し、夫の秀夫がその代わりを務めることに――。シェアハウスで起こる身近な問題を通して、多様性を認める社会の大切さを描く。