昭和六十三年度文化庁芸術祭
昭和六十三年度文化庁芸術祭
湖の美しい松江城下、松江藩浅香市之進の妻、おさいは、年頃の娘お菊とわんぱく盛りの息子虎次郎の三人で、主人の江戸詰めの留守をしっかり守っていた。一方「鑓の権三」とうたわれるほどの武芸の達人笹野権三は誰からも愛される藩内随一の美丈夫である。この頃凶作が続き藩財政も苦しく青年武士たちにとっての出世栄達の途はすでに武芸にはなく、茶道などの遊芸にわずかなチャンスを狙うよりほかはない。権三もまた例外ではなかった。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
劇団創立から85年を超える老舗劇団。日本の創作劇、和物、海外戯曲と幅広く上演。
とある中華料理店の一室。不動産会社のセールスマン、リヴィーンと、同じ記者の営業責任者ウィリアムソン。彼らの会社では毎月の売上高を掲示してセールスマンたちの競争を煽っているが、かつてトップの座にあったリヴィーンはこのごろ不成績である。契約の取れそうな上客の名簿が彼には割り当てられないからだ。同じ会社のセールスマン、モスはアーロナウに会社の事務所から顧客名簿を盗み出してこいと焚き付けている。舞台は一変
生涯に93回引っ越したという北斎が僅かな家具道具を載せた大八車を曳き、娘のおえいが押している場面から始まる。絵を描く事にしか興味がない葛飾北斎、絵師としてまるでうだつの上がらない歌川国芳、武士でありながらいずれは絵の道に専念したいと願う渡辺崋山。彼らは今日も北斎の家に集い、議論を戦わせていた。そこには北斎の弟子で、腕はいいのに師匠の世話ばかりしている蹄斎北馬、父北斎に振り回されながら、やがては自分
4年の歳月を経て、あの三人が帰ってきた。平成12年度第55回芸術祭賞 優秀賞受賞作品『缶詰』続編!更迭の危機を迎えたハコザキ製靴の社長、箱崎壮一郎(角野卓造)が腹心の部下二人(田村勝彦、たかお鷹)を従え、反撃作戦を立てるべく伊香保温泉の旅館に籠もったのが4年前。映画製作の関係者に間違えられ、町をあげての大騒動に見舞われたあの悪夢の数日は、ようやく忘れ去られようとしていた。月日は流れ、仲良く(?)清
創業60周年を迎えようという老舗のとんかつ屋「たきかつ」。家業には見向きもしなかった長男の琢己が、決意も新たに店を継ぐという。ついては大々的にリニューアルも行うらしい。店が変わってしまうことに一抹の不安を覚える母・幸子とベテランの料理人・金村は、将来への期待も同時に持っていた。そんな折、常連客の一人が留学生を連れて来て…。小さなとんかつ屋に起きた、ささやかだけど深い変化の物語。