ポーランドのテレビ・ドラマをもとに、<芸術家の運命>について書き下ろした木下順二、衝撃の現代劇。1991年に滝沢修主演で初演、97年からは大滝秀治が巨匠役を演じる。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
劇団民藝は1950年4月3日に創立(前身は1947年発足の民衆芸術劇場=第一次民藝)。築地小劇場、新協劇団など「新劇」の本流を歩んできた滝沢修、清水将夫、宇野重吉、北林谷栄らによって「多くの人々の生きてゆく歓びと励ましになるような」民衆に根ざした演劇芸術をつくり出そうと旗あげされました。2000年からは大滝秀治、奈良岡朋子が代表をつとめ、現在は小杉勇二、樫山文枝、日色ともゑ、丹野郁弓を中心に、劇団ならではの層の厚さを生かしたアンサンブルによる密度の濃い舞台づくりをめざしています。
新劇から出発して新派で活躍した初代・水谷八重子。初演は水谷八重子十三回忌追善・新派特別公演として1991年に上演された井上版〈昭和と女優〉ともいえる傑作戯曲を、初の民藝+こまつ座提携で客演も迎えて上演。舞台は戦前から戦後にかけての台東区柳橋。とある病院で新派を愛する人びとによって語られる八重子の芸と生きざまが井上ひさし流のユーモラスな筆致で活写され、新派劇の代表的な舞台や名台詞も散りばめられて物語
木下順二・宇野重吉コンビによる民話劇の上演。木下順二作「おんにょろ盛衰記」「三年寝太郎」の2本立て公演として〈宇野重吉一座〉ののぼりを立てて全国の市町村を巡演。
生涯をかけたテーマとして戦争責任の問題を追及した木下順二の『夏・南方のローマンス』は、1987年に宇野重吉演出で初演、2013、18年に丹野郁弓の演出により上演しその今日性がふたたび鮮烈に蘇りました。庶民の目線から戦犯裁判を見つめることで、日常的で人間的な人びとの愛や苦悩が壮大な構想の下に描かれています。
津軽に縁ある奈良岡朋子のために、青森県で高校教師の顔をもつ劇作家畑澤聖悟が書き下ろした意欲作。カミサマとは津軽に存在する民間祈祷者のこと。自分の守護神と対話しながら相談者にアドバイスを与え、人びとの心を「癒し」に導いていきます。まだ雪の残る津軽。カミサマ遠藤道子のもとへは家庭の悩みごとを抱えた人びとがひっきりなしに訪れます。しかし道子には何年も音沙汰のない息子がいました。その息子がある日突然あらわ