椿組恒例の花園神社野外劇。現代。東京。虚脱の街。がわけもなくやけに勤勉な街。 一丁の銃を手にした事から、ある男を狙撃しようとした元プロ野球選手。
が、その一丁の錆び付いた拳銃を、とある一家に預け他人になりすまし姿をくらます。彼には隠された秘密があった。一家の記憶と狙撃犯を追う刑事やらマフイアが青年の 過去と現在の人生を浮き彫りにする形で、追跡していく。
人の営みの中で「勤勉」であるということは何なのだろう?と問いつつ繰り広げられる冒険活劇!!
1971年「はみだし劇場」旗揚げ。日本各地で放浪街頭芝居、アジア・シロクロード祭旅など。1990年「椿組」と改名。野外劇を中心としてロマンとスペクタクル、エンターティンメント性を持ちながらも高い芸術性と舞台美術仕掛けの躍動感。街をも取り込んだ演出で毎年意表つくラストシーンを創り上げて来て話題となっている。花園神社野外劇は2022年で38年目。最近は劇場公演も多く、常に旬の作家、演出家と組み話題作を提供している。第50回紀伊國屋演劇賞特別賞、第3回花園賞受賞。
椿組2023年夏・花園神社野外劇
初演のタイトルは「椿説・丹下左膳」―――まだ「はみだし劇場」の頃、1981年の京王線・八幡山の空き地で繰り広げられたテント芝居の原っぱの上だった。懐かしい。片目片腕の剣士が野原を駆け回って大活躍していた。「ちゃーん!」の呼び声に応えて!!あれから42年、世の中そんなに変わっちゃいない、むしろ荒涼とした酷い世の中になってしまった。新しい戦前もすぐそこか・・・。ここはもう一度、左膳に登場してもらい世直
椿組2019年春公演
昭和11年。2.26事件前夜、若者は東京へ降り立った。そして事件、帝都では戒厳令が発せられ首謀者15名に銃殺刑執行。やがて時代は不穏な霧に包まれ坂を転げ落ちていく・・・大陸の事変、それは日常。そんな中、若者が飛び込んだ先は浅草花月劇場、そこには「アキレタヤツラ」が居た。若者は数多(あまた)のものに出会う。文学、詩人、大衆芸能、築地の演劇人、転向者、踊り子、そしてマドンナ・・・北海道・稚内、浅草花月
椿組2016年夏・花園神社野外劇
ご存知鶴屋南北の「東海道四谷怪談」。作家・立松和平が脚色した台本を西沢栄治が再構成演出。随所に歌舞伎の醍醐味を意識しつつ、野外ならではの仕掛け満載。あの中村勘九郎にして「外波山さんあの隠亡堀のアイデアを使わせて下さい」と言わしめた演出が冴えた作品となった。お岩役は松本紀保が務め話題に。総勢31人で繰り広げられ現在に蘇った江戸の残酷美、悪の華。
椿組2013年夏・南木曽公演野外劇
1979年初演。中上健次が33歳の脂の載った時に外波山文明(33歳)と出会い産まれた彼唯一の戯曲作品である。時は南北朝時代。日本の権力は北朝(京都=武家方)と南朝(吉野=宮方)とに別れ内乱状態が続いていた。 その南朝・吉野から、さらに山深く入った熊野の山に「かなかぬち」と呼ばれる鉄の男が、女とその手下達と一緒に暮らしていた。そこへ母を訪ねて旅をしながら彷徨う幼い姉弟。流浪の芸能集団。「かなかぬち」