華やかさと暗部を抱えた1930年代の上演、異国情緒溢れる租界のジャスクラブを舞台に、歴史に秘められた恋と濃密な人間ドラマが、生のジャズバントの演奏と共に、鮮やかに描かれる。1939年(昭和14年)、中国・上海。当時、ここはイギリス、フランス、アメリカ、ロシア、そして日本などから多くの人々が移住。租界と呼ばれる居留地は発展し、異国情緒溢れる都市として<東洋のパリ>や<魔都>とも称されるほど繁栄してい
実話から生まれたいのちの寓話が今、語りかける。ある南の島。ガジュマルの木に逃げ込んだ兵士二人は、敗戦に気づかず、二年間も孤独な戦争を続けた――人間のあらゆる心情を巧みに演じ分け、観る者の心に深く刻みつける山西惇が、再び本土出身の"上官"を演じる。注目の新キャスト・松下洸平は、柔らかく、おおらかな存在感で島出身の"新兵"に挑む。歌手・普天間かおりをガジュマルに棲みつく精霊"語る女"に抜擢。琉歌に乗せ
祈りのナガサキを舞台に紡がれる母と息子の命の物語
祈りのナガサキを舞台に紡がれる母と息子の命の物語。2021年夏、ヒロシマ(『父と暮せば』)、オキナワ(『木の上の軍隊』)に続き、ナガサキを描くこまつ座「戦後"命"の三部作」第三作が待望の再演。井上作品の担い手として数多くの作品を手掛ける演出の栗山民也、情感豊かな演技で陰陽併せ持つ母親像を表現した母・伸子役の富田靖子、母への想いを熱量豊かに演じた息子・浩二役の松下洸平。井上ひさしの遺志を受け継いだス
昭和庶民伝三部作 第二作
進駐軍の占領下で、今日を生き抜くために人びとは闇の売り買いに必死だった。親を亡くし、子を亡くし、夫を亡くし、友を亡くした人びとが、世の中の新しい枠組みの中で、無我夢中に生きていた。ひとり息子の健太郎を戦地に失った愛敬稲荷神社の神主牛木公磨も、今では近くに住む五人の未亡人たちと寄り合って、闇米の調達に奔走している。そんなある夏の日。思いもかけず、死んだはずの健太郎が愛敬稲荷神社にひょっこりと帰還する
超個性派俳優、遂に激突!絶妙且つ軽快な会話によって繰り広げられる、少しほろ苦い大人のコメディ!!!20年前に建てられた瀟酒なマンション「ヴィラ・グランデ 青山」の中庭に民谷史章(竹中直人)と、その友人であり仕事仲間でもある陣野圭作(生瀬勝久)がいる。二人は、はそれぞれこのマンションの一室を同時期に購入したが、陣野は最近、母親とのの同居を決めて引っ越した。二人はここで知り合い、20年余りの間にたくさ